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いたいけなキューピッド [アリスン・ロバーツ]

SHALOCKMEMO1375
いたいけなキューピッド The Baby Who Saved Christmas 2015」
アリスン・ロバーツ 北園えりか





 原題は「クリスマスが救った赤ちゃん」
 ヒロイン:アリス・マクミラン(28歳)/保育園教師/カーレーサー,アンドレ・ローランの娘,母,ジャネット・マクミラン(シングルマザー)/身長160センチ,痩身の妖精のような美人,赤毛のウエーブヘア,茶色い瞳,青白い肌,何かあるとすぐに赤面する/
 ヒーロー:ジュリアン・デュボア(35歳)/有名シェフ/キャラメル色の瞳,はっきりした鼻と唇/
 過酷な運命に導かれた姉弟のクリスマスのハッピーな出会いの物語です。カーレーサーのアンドレ・ローランとアリスの母ジャネット・マクミランは29年前に出会いました。そしてジャネットのお腹には愛の結晶が芽ばえたのですが,アンドレの母,マダム・ローランはジャネットに赤ん坊を始末してどこかに去りなさいと命じたのでした。しかし,ジャネットは故郷のスコットランド,エジンバラ近郊の村に帰り,母とともに娘アリスを育てたのです。そしてマクミラン家ではフランス語は一切使わないことが決まりになりました。無慈悲なローラン一家を思い出さないためでした。その祖母と母が亡くなり独りぼっちになってしまったアリスは,母の遺品の中から一枚の写真と新聞記事を見つけます。それはアリスの父アンドレと母が写っている写真でした。クリスマス休暇を利用として父の住むフランス南部を訪れたアリスですが,その家の周囲にはたくさんの報道関係者が集まり,上空にはヘリコプターも飛んでいます。門番の人にアンドレ・ローランの娘ですと名告ると,密かに裏口から家の中に入れてくれました。そしてアリスの前に現れたのがアンドレの幼い妻コレットの兄ジュリアン・デュボアでした。3カ月前,コレットもまた一子ジャックを出産した後病で亡くなり,さらに3日前,アンドレもレース中の事故で亡くなっていたのでした。残されたのは夫妻の3カ月になる息子ジャックのみ。一応ジャックは祖母のマダム・ローランが連れて行くことになっていますが高齢のマダム・ローランに何かあればということで,ジュリアンもまた後見人の一人に指名されていたのです。つまりジャックはアリスにとっては歳の離れた異母弟ということになります。そしてジュリアンは伯父。アンドレが亡くなってしまいアリスが実の娘であるかどうかは分からないままということになりました。しかし,ジュリアンの提案でDNA検査をすることになり,マダム・ローランが迎えにくるまで,ジャックの世話をして欲しいというジュリアンの願いを断ることができなくなります。一目見たとたんアリスはジャックに愛情を感じます。独りぼっちの自分にとって唯一の家族かもしれない。そんな想いもあったようです。ところがジャックの体に異変が生じます。赤い発疹がところどころに,呼ばれた医師の診断で隔離の必要な病であり保健所への届出が必要だということになります。玄関周辺にいた報道陣も,家政婦とナニーも家から出され,アリスとジャックとジュリアンの3人のみが残された屋敷。しかしジュリアンにはどうしても欠かせない仕事が待っていました。治療と合わせてDNA検査も行われ,数日間は屋敷内だけで過ごさなければならなくなります。その時アリスは初めてジュリアンが有名シェフであることを知るのでした。やがて病も治り,DNA鑑定の結果アリスがアンドレの娘であることも証明され,いよいよマダム・ローランがジャックを迎えにくることになりました。ジャックとの絆,そしてジュリアンを愛するようになったアリスにとって別れはまた独りぼっちになることを意味していたのです。ところが,ジャックと同様孫であるはずのアリスにたいしてマダム・ローランが浴びせた言葉はあまりにむごい言葉でした。「あの時始末しろといって多額の金を渡したのにあの女は・・・。」そして孫はジャックだけだとジャックの顔を見ることもなくアリスに立ち去るように言い残して明日の午後迎えにくるからと去って行ったのです。翌日午前中に家政婦と交替してスコットランドに帰ろうとしていたアリスはふと,ジャックをマダム・ローランに渡すわけにはいかないという気持ちになります。そして思い切った行動を取るのです。クリスマスの日,エジンバラ近郊の村のアリスの家をジュリアンが訪れます。ジャックを誘拐されたと思ってマダム・ローランとジュリアンが警察を差し向けたと思っていたアリスですが・・・。
 クリスマスの奇跡を描いたこのシーズンらしい作品ですが,クライマックスの解決策に思いがけない現代的機器が使われているところが本作の面白さです。これを思いついたアリスン・ロバーツはニュージーランドの作家ですが,温かい南仏と厳冬のスコットランドを見事に描いています。物語のほとんどが立派な邸宅の中で描かれますので,舞台劇仕立てのクリスマス・ストーリーです。


タグ:イマージュ
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囚われの結婚 [ヘレン・ビアンチン]

SHALOCKMEMO1374
囚われの結婚 Reluctant Captive
( Year Down Under 9 ) 1992」
ヘレン・ビアンチン 久我ひろこ




HQSP-128
16.11/¥540/208p

R-1067
94.03/¥652/155p


 原題は「仕方なく閉じ込められて」
 ヒロイン:ケイト・カルヴァーリョ(?歳)/手芸作家/
 ヒーロー:ニコラス・カルヴァーリョ(?歳)/大企業経営者/
 愛に溢れた結婚をしたと思っていたヒロインですが,夫の裏切りに逢い,自立して生活していましたが,家族の困窮を見かねて不承不承夫のもとに帰り,次第にその愛に気付いていくまでの心の成長を描いた作品です。本音を言わない夫にもイライラさせられますが,あまりに純だというかカマトトというか,精神的に幼いヒロインにもイライラさせられる作品です。お釈迦様の手のひらのうちで踊らされている孫悟空というか,そんなストーリー展開が見え見えの作品ですので,最後まで読み通すのに時間がかかってしまいました。HQSPで復刊される前に文庫,クラシック,ハーレクイン文庫とほぼ4~5年ごとに3回も復刊されて本作が4度目の復刊。はたしてそれだけの価値がある作品なのかわかりませんでした。


タグ:ロマンス
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