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君主と砂漠の秘め事 [シャロン・ケンドリック]

SHALOCKMEMO1384
君主と砂漠の秘め事 The Sheikh's Christmas Conquest
( Bond of Billionaires 2 ) 2015」
シャロン・ケンドリック 中村美穂





 原題は「シークのクリスマス征服」
 ヒロイン:オリビア(リビー)・ミラー(29歳)/B&B「ワイトウィック・マナー」経営,元厩務員(馬にささやく者)/小柄,赤みがかった淡い茶色の長い髪,そばかすのある顔,琥珀色の目/
 ヒーロー:サラディン・アル・メクタラ(?歳)/ジャズラタン王国国王/長身,鋭い眼光,ブロンズ色の肌/
 「もし何かを学んだことがあるとしたら,人は過去に生き,過去に支配されてはならないということだ。サラディンと,彼の心に住み着いている美しく若い妻のように。」くも膜下出血で19歳の美しい妻を失ったサラディンはその後一生誰かを愛することを拒み続けてきました。そんなサラディンが探し出したのは「馬にささやく者」と競馬界で知られていた厩務員のオリビア(リビー)でした。サラディンの愛馬バルカンが怪我をしてもう競走馬としては働けなくなったものの,まだその優秀な血統を残すことで次代の活躍が期待できたのですが,弱り切っている馬を獣医も厩務員たちも手の施しようがなくなっていたのです。むりやり,B&Bの改修費を負担するという契約でジャズラタン王宮に連れてきたリビーは,バルカンの脚に触れたとたん,バルカンは生きる意志を示すという奇跡が起こります。まさに「馬にささやく者」の面目躍如たる出来事でした。小柄で鼻の周りにそばかすの散った白い肌を持つイギリス女性がなぜこんなに自分の心の中に忍び込んでくるのか,しかも自分の指示に従わない人間も,ましてや女性がいるとは考えもしていなかったことに驚きと理解不能な気持ちの中でサラディンはリビーを誘惑し,リビーもまたこの人ならば自分の純潔を捧げても悔いがないと二人は雪に閉ざされたワイトウィック・マナーの暖炉の前で愛し合います。ジャズラタンでも砂漠のオアシスに馬で遠乗りにいった二人は瞬く間に関係を深め,その後,王宮の中でもサラディンは自分に言い訳しながらリビーを求めずにはいられませんでした。しかし,若くして失った妻を美化するあまり自分の気持ちに正直になれないサラディンとの将来はないことに傷ついたリビーはジャズラタンを去る決意をします。さてサラディンはリビーを呼び戻せるのでしょうか。
 英国人らしい,砂漠の国と競走馬の飼育とがストーリーの中心になる作品です。国王にも毅然と「ノー」と言えるリビーの爽やかさと濃厚な二人の愛の関係が描かれた傑作です。


タグ:ロマンス

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