SSブログ

ボスへのせつない恋の証 [モーリーン・チャイルド]

SHALOCKMEMO1404
ボスへのせつない恋の証 
( Pregnant by the Boss 2 ) 2016」
モーリン・チャイルド 野川あかね





 原題は「ボスのための赤ちゃん」
 ヒロイン:ジェニー・マーシャル(?歳)/グラフィックデザイナー/小柄で抜群の曲線美,ブロンドの巻き毛,ブルーの目/
 ヒーロー:マイク・ライアン(?歳)/「ケルティック・ノット・ゲームズ」共同経営者/長身,ブルーの目,広い肩幅,黒髪,ブルーの目/
 ゲーム会社「ケルティック・ノット・ゲームズ」の三人の共同経営者のロマンスを描いたトリロジーの第二作目です。前作「億万長者の残酷な求婚(SHALOCKMEMO1308)」はアイルランドが舞台で赤毛の美女アーニャ・ドノヴァンがヒロインでした。本作は舞台をアメリカ西海岸ネバダ州ラフリンに移し,やはりゲームの雰囲気をもつホテルの改修をするために会社のグラフィックデザイナーとして才能をもつブロンドの美女ジェニー・マーシャルがヒロインとなります。作中には次作のヒロインとなるケイト・ウエルズの存在がちらほらしていますが,赤毛,ブロンドときて,おそらくブルネットか?で,HQ版のペーパーバックの表紙を見ると案の定,パープルのドレスを着たブルネットの美女が映っていますから,三人三様の女性を登場させたのだなと設定の工夫が見られます。次作「Snowbound with the Boss」の翻訳が待たれますが,3つ目のホテルはラスヴェガスの南ですが人口七千人ほどの町ラフリン(Laughlin)のようです。モハーベ湖から流れるコロラド川,スピリット山と内陸ではありますが豊かな自然が近くにある変化に富んだ場所のようです。ラスベガスの空港から車で40分ほどとありますから交通の便も良いようですね。ググってみるとすぐに「Harra's Laughlin casino & hotel」の写真が出てきますが,窓からの眺めが砂漠と川とオアシスという3拍子揃った風光明媚なところのようです。ちょっとエジプトの風景といわれれば納得できるような場所です。このホテルとカジノがセットになったリゾートがラスベガスでは当たり前なのでしょう。日本でもIR法が成立しましたから,数年後にはこのようなリゾートがこれからできるのでしょう。さて,「ケルティック・ノット・ゲームズ」ではこのようなホテルを大改修し,カジノではなく自社のゲームソフトに登場する伝説と神秘にあふれた架空空間を作り出そうとしているのです。上記のように第1作ではアイルランドに,そして本作ではアメリカ南西部に,そして最終巻はアメリカ北部に最大規模のホテルを買収しています。本作の舞台はこのラフリンの「リバーホーント・ホテル」の改修工事が始まっているところです。ホテルのホールや廊下の壁画を担当するのはジェニー・マーシャル。そしてこのホテルの主担当は共同経営者の一人マイク・ライアンです。二人はかつて出会っていたのですが,マイクの誤解から気まずい別れを経験しています。しかし運命は二人を仕事上も大きく近づけたのでした。そして最初の出会いの時に共にした一夜にジェニーの体にはマイクの命の元が芽ばえていたのでした。しっかりした対策を取ったつもりでしたが,製品が期限切れだったことに気づかなかったため,愛の結晶はしっかりと根付いたのでした。このことがあろうとなかろうと,実は二人は出会ったときから互いを意識し,強烈に惹かれあっていたものの,昔の体験からなかなか互いを正直に認めることができなかったのです。ジェニーは親に捨てられ,おじのハンク・スナイダーとハウスキーパーのベティ・サンダースによって12歳から育てられ大学を出るまで援助を受け続けてきたのです。そして絵画への才能を見つけてくれたのもおじでした。一方,マイクの方は,13歳の時キッチンで母が泣いているのに出くわし,事情を聞いたときに父の愛人の存在を告げられ,それからは父への軽蔑の念を抱き続けていたのです。弟のショーンにはこのことを隠し続けており,弟はこの間の事情は知りません。そのため結婚,家庭というものに不信感を抱き続けてきたのでした。共同経営者のブレイディがアーニャと結婚してむつまじく暮らしているのも,自分には縁遠い話しだと考えています。ところがジェニーに強く惹かれてしまう自分の気持ちに混乱し,なにかと難癖を付けてはジェニーを傷つけようとするのでした。客観的に見るとこのマイクのけんか腰の言葉は理由があってのことだと思われますが,マイクを愛してしまったジェニーは逆にマイクをかばうようになっていくのです。これこそ愛の力。そしてそれを乗り越えなければ自分とマイクの将来はないと思い,妊娠を知らせた後もマイクのプロポーズを断っていきます。おじハンクとベティが育児を手助けするために,おじは自分の会社を売却してフリーになってくれたのです。シングルマザーとして充分やっていけるだけの条件が揃ったこともジェニーにとってはありがたいことでした。さて,マイクの方は両親の不和の原因とその真実が語られる時がやって来ます。そこで知ったことの真相にマイクは愕然とします。実は父の裏切りは無実だったことを。しかしそのことを話してもマイクは信じないだろうと両親が真実を語ろうとしなかったこともあり,これまで誤解のままになっていたのです。マイクがそれまでにジェニーに投げつけたひどい言葉を取り消すことはできず,会社を去ろうとしているジェニーを引き留める方法も思い浮かびません。さて,マイクの信用回復の手段とは・・・?
 ジェニーとマイク。このいかにも古風なアメリカ風な名前の二人が本音をぶつけ合う姿に爽やかさを感じる作品です。


タグ:ディザイア
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。