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京都寺町三条のホームズ(1) [望月麻衣]

SHALOCKMEMO1430
京都寺町三条のホームズ(1) 2015」
望月麻衣





 ヒロイン:真城 葵(17歳)/高校2年/
 ヒーロー:家頭清貴(22歳)/京都大学大学院1年/
 永遠の都京都を舞台にしたホームズ・パスティーシュ・シリーズの第1巻です。全6巻のシリーズです。双葉文庫刊をKINDLEで読了しました。コミック版も双葉ジュニア文庫で出ています。伝統,文化,芸術と謎解き,そしてささやかなロマンス。ちょっとした京都観光案内書とも言える詳しい蘊蓄つきで,さらには源氏物語を初めとした王朝文化の匂いの濃厚な京都の町と,そこに暮らす人々の思いが伝わってきます。同時にヒロイン葵が京都にやって来た失恋物語を横糸に,ホームズと呼ばれるヒーローへの淡い思い,そしてホームズ自身の和泉との失恋を絡め,ライトミステリ風味とロマンス風味が満載のやさしい作品です。本作は全5章,それぞれにホームズの謎解きが披露されます。京都の地理には詳しくありませんし(これまで3回ほど行っていますが),ただ鞍馬山には行ったことがあり,かなり印象に残っていたので,なんとなく想像ができました(第4章 鞍馬山山荘遺品事件簿)。ヒロイン葵がまだ高校2年生ということもあり,二人のロマンスが結実するのは少なくとも1年半後かな,と予想できます。全6巻を手に入れましたので,第2巻以降も少しずつ読めたらなと思います。


タグ:邦人作家
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秘書は秘密の恋人 [ミランダ・リー]

SHALOCKMEMO1429
秘書は秘密の恋人 The Billionaire's Ruthless Affair
(独身富豪クラブ 2 ( Rich, Ruthless and Renowned 3) ) 2016」
ミランダ・リー 若菜もこ





 原題は「ある富豪の無情な出来事」
 ヒロイン:ハリエット(ハリー)・マッケナ(29歳)/秘書/大きな茶色の瞳,茶色の髪,正統派の美人ではないが,はっと眼を引く華やかな顔立ち/
 ヒーロー:アレックス・カトナ(34歳)/不動産開発会社経営/身長190センチ,金髪,女性なら誰もが振り向くハンサム/
 シリーズ第2作ですが,前作「億万長者の冷たい誘惑」は読了していません。本作中に前作のヒーロー,ヒロインの結婚式の場面が登場しますので,およその関係は分かります。また出版の都合かも知れませんFantasticFictionではミランダ・リーのシリーズの中に,今月発売のキャシー・ウィリアムズ「買われた純愛(SHALOCKMEMO1424)」が入り込んでいます。どちらかというとミランダ・リー三部作とした方が分かりやすい気がします。
 さて,大人の恋を扱った,特に秘書ボスものの本作。家政婦ものやナニーものも結構ハラハラドキドキな二人の関係が売りですが,秘書ボスものも,やはりそんな一面を持っていると思います。どこで二人の隠された気持ちが表に出てくるのか,また周囲の人たちが秘書に対して嫉妬心を抱いてしまわないのだろうかなど,さまざまな障害が予想されるのですが,そこはヒロインの人間的な魅力の方が重要で,きっと周囲も二人をあたたかく包んでくれるというのがロマンス小説の良さだろうと思います。ギクシャクした人間関係の中からはどんな愛も実らないのでしょうから。
 「ドウェインとの婚約を解消しました。」それをボスのアレックスに伝えた瞬間,ハリーとアレックスの間には恋心が芽ばえ始めたのです。傲慢に見えるアレックスがこと男女関係に関してはこまめでやさしくていねいになる,というところがギャップの面白さでしょう。もう本作のロマンス度はかなり高いです。母親の早世によって父がすっかりアルコールに頼ることになり姉夫婦が苦労している様子を見て育ったアレックスは結婚に関しては,ましてや女性を本気で愛することを避けようとしています。一方両親から当てにされず家族の中でも末っ子の継子扱いされてきたハリーは,独立心が強く,すべてのことを自分で成し遂げようとする傾向にあり,自分に何かを命じてくる男性には防御反応を示してしまうのです。ましてやボスと秘書の間柄には一線をしっかり引こうとします。こんな二人が,あのドウェインというつまらない男性にハリーが捨てられたことをきっかけにして,互いの思いよりも互いの立場を優先してしまい,愛を欲望と言い換えることで自分を納得させてしまうという落とし穴に引き込まれてしまう,というロマンス小説のパターンがしっかり描かれています。29歳と34歳という大人のロマンスですが,互いに強情を張ってしまう可愛らしさが本作の大きな魅力です。これが互いに20代だったり,10歳以上の年の差のあるカップルだったら,また違ったストーリー展開になったでしょう。作者はこの辺の微妙なところを,というかヒロインの恋愛経験の運のなさをうまく利用しているように思います。そしてヒロインを助ける受付のベテラン女性オードリー,ヒーローを助ける独身クラブの面々と,脇役たちをうまく配置し,敵役ドウェインも堂々後半登場し,狂言回しを務めるなど,キャラクタE配置も抜群です。オススメの作品です。前作を早く読まなくっちゃ・・・。


タグ:ロマンス
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