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噂の関係 [キャサリン・ジョージ]

SHALOCKMEMO1425
噂の関係 Their Scandalous Affair
( Pregnancies by Passion 1 ) 2004」
キャサリン・ジョージ 澤木香奈




K-456
17.02/¥670/156p

I-1800
06.01/¥672/156p


 原題は「彼らのスキャンダラスな出来事」
 ヒロイン:エイヴァリー・クロフォード(29歳)/ドレス・リフォーム店「エイヴァリー・リフォーム」経営,元ファンド・マネージャー/すらりとした長身(175センチくらい),豊かな曲線を描く体,黒い髪,小顔,黒い瞳,大学の専攻は数学,警察官の娘/
 ヒーロー:ジョナス・マーサー(?歳)/実業家(運送業・倉庫業・建設業の「マーカム・グループ」経営者)/並外れた長身,逞しい筋肉/
 キャサリン・ジョージ5作目の読了でHQイマージュ1800号の作品。なかなか素敵なヒロインが登場するキャサリンの作品ですが,本作でも男性に頼らず独立心が強く,しかし愛に恵まれないヒロインがなかなか素敵なヒーローと出会います。エイヴァリー・クロフォードは母の後を継いでイギリスの片田舎でドレス・リフォームの店を経営しています。フランシスという年齢の上の女性と二人の従業員で手分けして注文に応じてウエディング・ドレスのような手の込んだものから普通のドレスまで手を入れてよみがえらせ,順調に店を経営してきました。店が入っているビルのある土地が開発業者に買い取られ,次の契約更改ができないかも知れないというピンチに陥るのですが,もともとつきあっていた男性ポールの父親がビルの所有者だったため,口利きしてもらって手に入れた借家契約でした。ところが,ポールとの間がうまくいかなくなり,店を移動しなければならないと覚悟したところだったのです。そこに現れたのがヒーローのジョナス。まさしくエイヴァリーにとってジョナスはその後のヒーローになっていきます。一目でエイヴァリーにメロメロになってしまうジョナス。それに対してエイヴァリーの方はしっかりと自分を見つめ,安易にジョナスを頼ったりなびいたりしていかないところが良いですね。最後は勿論ハッピーエンドになり,ジョナスの家族やエイヴァリーの親友のフランシスや従業員(ヘレンとルイーズ)たちも皆良いことづくめになるのですが,そこに至るまでには,敵役で卑劣なポールとダニエルのモレル兄弟が二人の関係をいろいろな場所で邪魔していきます。といっても大して大きな事件が(いやダニエルたちの花火遊びによる失火は大きい事件ですが,イギリスにおける11月5日のガイ・フォークスのことがわかりました)あるわけでもありませんが,エイヴァリーの不幸な過去と,ちょっとした言い方で正直で誠実なジョナスの言葉で傷ついてしまいフランシスに慰められるエイヴァリーの繊細な心がジョナスへの葛藤となっていくことが中心となるストーリー展開です。それにしても生まれてきた赤ちゃんのご大層な名前が振るっています。曰く,「ジョン・エイヴァリー・チャールズ・ロバート・マーサー(通称ジョン)」。
 MB_KINDLE版表紙の栗色の髪(冒頭には黒髪,黒い瞳と表されていますが後ろの暖炉の火に照らされているためという言い訳が通用しそうですが・・・)で小顔で長い脚の美女がヒロインのイメージを見事に表しており,paperback版よりはるかに素敵な表紙になっています。


タグ:イマージュ
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秘密に満ちた恋 [キャサリン・ジョージ]

SHALOCKMEMO1172
秘密に満ちた恋 Evidence of Sin
( Pennington 6 ) 1994」
キャサリン・ジョージ シュカートゆう子




HQB-708
16.01/¥670/208p

I-0987
96.02/¥610/156p


 原題「罪の形跡」はなにやら意味深な感じがしますが,ヒーローが法廷弁護士なので,法的な別の意味があるのかもしれません。英語にあまり詳しくないのでよくわかりませんが・・・。
 マーカス,ジェシカ,そしてヒロインのクロエ。クロエは母の連れ子で教区牧師だった父の養女となりましたが,血の繋がらない義兄マーカスに小さいときから憧れをもっていました。自分では愛だと思い込んでいましたが,ヒーローのピアズ・オードリーと会った瞬間,その気持ちは憧れに過ぎなかったことに気付いたのです。しかし,ピアズにマーカスの婚約披露パーティで家の物陰で泣いているところを見られて以来,クロエのマーカスに対する秘めた想いを知る唯一の人として,ピアズとクロエの間に秘密の共有という深い関係ができていきます。これがこのストーリーの中核で,「秘密に満ちた恋」という邦題もここから来ているようです。
 クロエは元モデルとして複数のテレビCMにも登場したことのある身長178センチのスリムな体型と赤毛の美女。それも義父の教区牧師が亡くなりマーカス,ジェシカという義兄姉が医学生として学費を必要としていた時期だったことから経済的に苦しくなった家計を助けるためにしていたことでした。その後,二人とも医師になったことからきっぱりとモデルの仕事から足を洗い,今はロンドンから離れた家の近くの薬品会社の営業部に勤め,実力を買われて営業部長代理まで務めるキャリアウーマンとして活躍していたのでした。美貌と知力を兼ね備えた女性としてクロエに出会ったピアズも,理想的な独身男性として女性たちから狙われているハンサムな男性でしたが,二人は理想的なカップルになったのです。言葉の端端にマーカスとの関係を仄めかすピアズにちょっぴり腹を立てながらも,次第にピアズを愛することを認めるようになったクロエは,ついに自分からピアズに身を捧げるのでした。そしてピアズのプロポーズを受け入れたころ,マーカスはクロエが自分に想いを寄せていたことを知ってしまうのでした。婚約中だったマーカスがクロエの部屋を訪れたところに運悪くピアズが顔を出し,二人の関係を誤解してしまいます。クロエはマーカスを押しのけようとしていたのですが,戸口に立っていたピアズには二人が抱き合っているように見えたのでした。怒ったピアズと連絡が取れなくなってしまったころ,かつてピアズが弁護した人物が逆恨みをしてピアズに復讐と身代金目的でクロエを誘拐し,家から数十キロ離れた廃屋に閉じ込めるという事件が起こります。さぁ,この事件が二人の関係にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
 義兄への秘められた想いというちょっと暗くなりがちなストーリー展開ですが,ピアズとクロエの互いをからかう軽口の応酬や,後半の閉じ込められた廃屋からのクロエの脱出劇がはなばなしく語られるサスペンス風味の爽やかな読後感を得られる秀作です。


タグ:イマージュ
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イタリア富豪は甘く償う [キャサリン・ジョージ]

SHALOCKMEMO883
イタリア富豪は甘く償う Dante's Unxepected Legacy 2014」
キャサリン・ジョージ 東みなみ





4月最初の読了本は,本作になりました。先月はひとつきでこれまでで最高の25冊を読了しましたが,すばらしいヒロインたちにも恵まれました。さて,本作です。会計士になる夢を断念し税理士として事務所で働く女性ローズ・パーマーは,一人娘ベアトリス・グレイス・パーマーの妊娠と出産の過程でシングルマザーとして生きることを決意し現在の職に就いたのでした。大親友でイタリア在住のシャーロット・ヴィラーリから緊急の電話があり,急遽ベアトリス,愛称ビーを母に預けてフィレンツェに向かったローズ。ホテルで彼女を待ち構えていたのはシャーロットからの手紙を携えたダンテ・フォルティナーリでした。実はビーは,4年前ローズがダンテと一夜を共にしたときに出来た子供だったのです。しかしローズはビーの父親が誰かは母親にも親友にも一切秘密にしていました。もし,一人に知られれば,すぐに事実がみんなに伝わってしまうことを恐れたからでした。ダンテとの再会は予想していたものとは異なりました。ダンテはすでに離婚して何年も経っており,離婚したことで反って清々していると言い切ったからです。ダンテに捨てられたと思っていたローズにとって,これはちょっと大きなひと言でした。しかし,ダンテと一緒に食事をしたり市内観光の案内役を買って出てくれたことには感謝せざるを得ませんでした。シャーロットからは自分が誘っておきながら突然ニューヨークに旅立たなければならなくなったことの詫びの言葉と滞在中のお小遣いとして幾ばくかの現金が添えられていました。翌日はダンテの案内でフィレンツェでの休日を楽しく過ごしたローズ。しかし,ビーのことをダンテに伝えるべきか,迷いに迷うローズでした。帰国したローズの元をダンテが訪れたのは数日後でした。自分がまだダンテに惹かれていること,それをダンテに知られることはビーの存在を知られることにもなることを恐れるローズ。そして何より,ダンテの本当の気持ちが分からないローズでした。このあと紆余曲折があり,4年前の出来事がローズの思っていたものとは違っていたことも知り,ビーが自分の娘であることをダンテがうすうす感じていることもわかってきたローズ。思い切って打ち明け,ダンテに結婚を申し込まれた後も,ダンテの自分への愛情に確信が持てないまま申し出を断ってしまうローズ。イタリアのダンテの家族とのパーティで自分もビーも大切にされることがわかってもなお,ダンテの自分への気持ちに確信が持てないまま結婚を承諾してしまうローズ。そして,結婚式までの1カ月で再度の妊娠に気づくローズ。ちょっとローズの頑なさとあまりにもダンテに対する期待の大きさに読者もイラッとする感じです。これはもしかして作者の実体験?などと疑ってしまうようなストーリー展開です。これほどめでたく恵まれた結婚もないでしょうに・・・。


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ラベルは「妻」 [キャサリン・ジョージ]

SHALOCKMEMO650
ラベルは「妻」 Leader of the Pack 1991」
キャサリン・ジョージ 久坂  翠





 マシュー・カニングはコルクラフト社の社長として赴任したやり手の男性。ワーク・ホリックとして名前が売れていた。チャールズ・ロングマンはコルクラフト社の社長の引退に伴って自分こそが次期社長の座につけるものと考えていたが,子会社の社長の座に実質の降格となった。チャールズの秘書として,実質的なチャールズの仕事に関わっていたのはエリス・ワース。マシュー・カニングはエリスを2週間の試用期間として秘書に任ずるが・・・。
 社長と秘書という関係は,あくまでもビジネス上の関係なはずですが,互いに独身の場合,往々にして微妙なニアミスの危険性もはらんでいるようです。しかも,前上司の妻からは夫の浮気の対象と見られており,チクリと皮肉を言われるようであればなおさらです。さらに,元上司が自分を浮気相手というより頼り切っているとすれば,なんとも難しい立場に置かれてしまうのは想像に難くありません。
 そんな4人の関係をちょっとユーモラスに描いたおしゃれな一編です。


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戻っておいで [キャサリン・ジョージ]

SHALOCKMEMO612
戻っておいで Come Back to Me 1989」
キャサリン・ジョージ  Cathrine George 上村悦子





 キャサリン・ジョージの復讐譚。
ヒロインが会社の社長秘書の面接試験を受けるところから始まります。妹の産んだ子供を引き取って暮らすジュリアは,この会社の経営者の弟が妹を妊娠させた上,妹を捨て,生まれた子供のサムを引き取らないで自分だけ幸せな結婚生活を送っていることから,この会社に入りこみ,復讐を遂げようとします。
 社長のマーカス・ラングは紳士的ではあるものの気難しく,一度目の面接でも,現在の秘書ミス・ペニークックが完ぺきにこなしている秘書業をしっかり引き継げる人物かを冷静に見極めようとしていると,ジュリアは思っており,面接後にさらに呼び出しを受けたとき,二次面接だと,半ばあきらめた気持ちを持つのでした。しかし,そこで採用になったことを知らされ,復讐の幕がやっと開いたことで気持ちを引き締めます。ジュリアは甥のサムの住む家の2階をマレー夫妻と娘のデイジーに貸しており,復讐のことはこの夫妻にしか話しておりません。仕事を引き継ぐまでの一カ月ミス・ペニークックはジュリアにボスとしてのマーカスについていろいろと話しますが,仕事のこと以外の個人的なことについては,主に会社の事務員のスーから昼食の時に聴きとるだけでした。そして,営業部長でマーカスの弟であるギャレット・ラングに会う機会もなかなかないまま数カ月が過ぎていきます。なんとかそつなく仕事がこなせるようになったころ,マーカスは少しずつジュリアの個人的なことにも興味を示すようになっていき,サムの存在,復讐のことを知られないように気をつけているジュリアとの間に虚々実々の言葉の応酬があり,本書の魅力にもなっています。そして,ラング家の家族パーティに招待されたり,社のクリスマスパーティでマーカスの相手役をさせられたりするところが,心理サスペンスのような緊張感があり,作品の質の高さが感じられます。互いの気持ちのすれ違いや,復讐の成否を乗り越えて,二人はどんなふうにロマンスを実現していくのか。ロマンス度はかなり低いものの,かなり感情移入させられてしまう一品です。


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