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やさしい闇 [エイミー・J・フェッツァー]

SHALOCKMEMO642
やさしい闇 Taming the Beast 2001」
エイミー・J・フェッツァー  谷原めぐみ





 「事故により顔を始め全身に深い傷を負った大富豪リチャード・ブラックソーンは,事故後,妻のアンドレアから逃げられてしまう。数年後,アンドレアにはリチャードとの間に一人の娘がいることが,アンドレアの死後わかる。リチャードは孤島の高台にある大邸宅で人から隠れるようにして顔を見せずに暮らしていたが,一人娘を家に引き取るにつけて,子守として「ワイフ社」という家事サービス会社に住み込みの子守を依頼する。そのナニーとして派遣されたのは,数々のミスコンテストで優勝した経歴を持つ折り紙つきの美女ローラ・ケンブリッジだった。」
 ここまでが,本作の設定です。ゴシックロマン風に断崖の上の要塞のような大邸宅に住み人前に姿を現さないヒーローの存在は,島民たちにいろいろな噂を呼びます。そんな中に一人子守として入っていくヒロインにも,自分の外見だけが喧伝され,内面を見てもらえないという人にはあまり理解されない過去があります。それにしてもヒロイン,ローラのはつらつとした,人の外見よりも内面の良さを見ようとする知性と明るさ,そしてもちろん外見の素晴らしさ,女性としてすべてをもっているヒロインにも,深い傷を残している,つまりは内面を見てほしいという欲求。美女と野獣になぞらえられた本書のテーマですが,もっと深い人間の想いが伝わってくる,悲しいながらも元気の出る傑作です。


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