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獅子の女神 [シャノン・ドレイク]

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獅子の女神 Come the Morning 1999」
シャノン・ドレイク 河村 恵





シャノン・ドレイクはヘザー・グレアムの別名。主にヒストリカルを中心にこの名前を使っている。著者の父方の先祖はスコットランドの出らしい。その出自というかかなりの先祖にさかのぼってのシリーズが「グレアム・ファミリー」シリーズで,作品の中に史実,実在の歴史上の人物を入れ込んでいるシリーズとなっている。本作はその第1巻。
さて,時代は1127年のスコットランド。スコットランド王デイヴィッド一世の治世。臣下のアディン・マカディンが没し,その領土ブルー・アイルには一人娘メリオラが残された。家臣の一人でレアード・ライオンとあだ名される勇猛な戦士ウォリック・グレアムがその領地と娘との結婚を国王から賜る。この戦士グレアムこそが,ヘザー・グレアムの先祖ではないかと思われる。ウォリックはバイキング,イングランド,スコットランド,アイルランドと自らの祖先にはさまざまな地方の血が混じっていると作品の中で述べているが,今はスコットランドとデイヴィッド一世に忠誠を誓う戦士。当時深い関係にあった女性はいたが,国王から賜ったメリオラとの結婚を承諾する。一方メリオラは,独立心の強い女性で自らが父のあとをついで領地を治めようと考えていたので,国王の居城のスターリング城に呼び出されたとき,自分の領地を治めることを許してもらおうと考えている。しかし,突然押し付けられた結婚相手。しかも領有権はその夫に渡ってしまうということに腹を立て,国王にたてついてしまう。叔父の助けを借りて領地に逃げ帰ろうとするものの,ウォリックに見つけられ,連れ戻されてしまう。こんなふうに二人の関係は対立したままブルーアイルに場所を移すのですが,当時ブルーアイルは,バイキングによってたびたび侵略され,貴重な住民と財産が奪われてしまうという事件が起こっています。当初自分の領地を奪うために派遣されたと考えていたウォリックが,平和裏に事件を解決しようとしていることに気付いたメリオラは次第にウォリックと本当の夫婦としての関係を築いていきます。本作で敵役になるのはウォリックに父親を殺されたウルリックというバイキングです。ちょっとカタカナ表記にすると間際らしいのですが,戦士でありながらも姦計をめぐらすことが得意なウルリック。親戚関係や複雑な人間関係に付け込んで,ブルーアイルとメリオラを手に入れようとするのですが・・・。
重厚な歴史絵巻を見るかのように歴史の流れと,多くの登場人物が見事にストーリーに溶け込んでいく力作です。読みごたえあり,次の作が期待されるシリーズの幕開けです。ランダムハウスからすでに五作品が翻訳されていますので,順次読んでいこうと思います。


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呪いの城の伯爵 [シャノン・ドレイク]

SHALOCKMEMO357
呪いの城の伯爵 Wicked 2005」
ヘザー・グレアム Heather Graham 風音さやか





「ヴィクトリア朝フェアリー・テール・シリーズ」の第1巻。シャノン・ドレイク名義。“Reckless”が第2弾。
伯爵は獣と言われていた。カミーユ・モンゴメリーCamille Montgomery は大英博物館でヒエログラムの翻訳をしているが,カーライル伯爵 Earl of Carlyleは顔に負った傷を隠すため仮面をつけ,庭に狼を放している城に閉じ籠もっていた。しかし,もともとのカーライル伯はハンサムで美しい顔をしており,社交界の寵児であった。
古代エジプトの遺跡発掘で起こったカーライル伯爵夫妻の死をめぐって謎を呼ぶ大英博物館での数々の事件。一体誰が信頼できるのか,犯人は誰か,そして動機は?
ヘザー・グレアムらしいミステリーとロマンス,サスペンスフルな作品。



1月は14冊と,最高に読了が進んだが,2月は集中力が続かず,あちらこちら手を出してしまい,結局読了本が少なくなってしまった。本書の読了までに3週間もかかってしまったのは,そんな理由。


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