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幻の王子様 [フィオナ・マッカーサー]

SHALOCKMEMO707
幻の王子様 The Prince Who Charmed Her 2013」
フィオナ・マッカーサー 富永佐知子





 地中海クルーズ船の船内クリニックの医師,クリスティーナ・フェンダーには,来週に悲しい日を迎えようとする,ある秘密があった。1年前,互いに愛し,愛さて1週間を送った外科医との間の赤ん坊を流産し,その出産予定日を迎えるからだ。こんな設定で始まった本書ですが,その外科医こそ地中海の小国アスペリクス大公国の公太子ステファノ・ミコニデスということから,メディカル・ロマンスとプリンスものの二つの要素が融合したストーリー展開となります。二人が別れることになったのは,1年前,ステファノがすぐに戻るつもりで急に帰国した時,交通事故で数カ月動けなくなり,クリスティーナ(愛称キキ)と連絡が取れないまま,キキは流産し,失意の果てにクルーズ船に乗ってしまったことで互いに連絡が取れなくなってしまったからです。1年後,弟夫婦と偶然乗り込んだクルーズ船で二人が再会するのは,正に運命だったのでしょうか。

 そんな二人の間に再び情熱が燃え上がったものの,キキは流産のことをステファノに知らせることができないまま,クルーズ船は目的地に着いてしまいます。しかもその事実はキキの口からではなく,マスコミに突然リークされてしまうという最悪の方法でステファノに知らされることになるのです。二人の間に大きく心のすれ違いが生じてしまいます。二人はこの障害を乗り越えることができるのでしょうか。

 紹介文を読んで読みたいと思うことは大変珍しいことなのですが,本書は,そんな例外の一つです。設定のすばらしさが,本書を読んでみたくなる最大の理由で,しかも期待を裏切らない結末を迎えます。お勧めの一作。


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