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ふたたびの切なさに [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO382
ふたたびの切なさに The Middle Sin (Cleo North 2) 2005」
マリーン・ラブレース 皆川孝子





女ジェームズ・ボンドというべきクレオ・ノース。この古代文化の名前をもつ(クレオパトラ・アフロディーテ)元OSI捜査官にも弱点があった。それは,父親の存在。何にもまして父を愛していることから,彼女を陥れようとするものにとっては,結構なエサになる。
一方,ヒーローのジェック・ドノヴァンにとっての弱点は,離婚した元妻。仕事で留守がちだったことから,妻が夫を必要にしているときに一緒にいてやれず,アルコール中毒に陥ることになってしまったことに未だに負い目を感じている。
そんな二人につけ込むのは,国際的な武器商人。その犯罪のスケールの大きさにも驚くが,最大の危機に陥ったときに圧倒的な効果を現すのは,キーホルダーに取り付けられるぐらいの小さなビームライト。このダイナミックスが実に見事なジェットコースター・サスペンス・ロマンス。


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噂の貴婦人 [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO361
噂の貴婦人 His Lady's Ransom 1995」
マリーン・ラブレース 上木さよ子





少々変わったヒロイン。12世紀後半イングランド。ジョン欠地王の父ヘンリー2世とジョンの兄リチャード。これまでは,リチャードとともに十字軍に加わった騎士をヒーローにしたものが多かったように思うが,なんと王弟ジョンと幼なじみのヒロイン。
悪役になりそうでヒロインを張っていくのは二人の夫に先立たれた未亡人マデリン・ド・クーシー。
“あでやかに咲き誇る王宮の花”。
初めは弟ウィリアムがマデリンの毒蛾にかからないよう王宮に乗り込むイアン・ド・バーグだが,弟から引き離すため騎馬試合の賞として,マデリンを欲しいとヘンリー王に申し出,許される。幼なじみのジョンは反対したが,王の承認では仕方がない。そして,マデリンの領地であるクラグズモア。しかし管理する者もなく荒れ果てたクラグズモアを自らの手で甦らせ,単に王宮の花としてではなく女主人としての実力も示したマデリン。次第にマデリンの能力を認めつつも,宮廷での男を誘うような振る舞いを見ているイアンはマデリンを信用できない。とまぁそんな設定で,二人がどうなっていくのか,敵役は今回は誰か,ヒーローはいつヒロインの元を一時的に去り,ヒロインが危機に陥るのかと思いきや,ヒロインがヒーローを誘拐してしまうなど,お約束ごととは異なるびっくり箱がいくつかあるものの,とにかく本書はヒロインの独特の性格,振る舞い,自分の中の孤独など心理的な面が色濃く出ており,ロマンス小説の姿を借りた心理小説という趣の独特さがある。


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