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庭師の娘がついた嘘 [フィオナ・ブランド]

SHALOCKMEMO879
庭師の娘がついた嘘 The Fiancee Charade
(ギリシアの恋人 4) 2013」
フィオナ・ブランド 大田朋子





アトレウス家とメッセナ家,個人秘書としてアトレウス・グループの御曹子ゼインに仕えていたジェマ・オニールはメッセナ家の御曹子ガブリエルと一夜を過ごし,一人娘サンチアを出産しますが,父親であるガブリエルにはその事実を告げてはいませんでした。6年後,ゼインには恋人のリラがいますが,マスコミにはゼインとジェマの関係が報道されています。6年前は余裕がなくてジェマを気遣ってやれずに一夜限りの関係しか持てなかったガブリエルですが,ゼインとジェマの関係に嫉妬の気持ちを持っていました。ジェマがシングルマザーであることは知っていましたが,彼女の娘が自分の子供であることは想像もしていませんでした。パーティー会場で偶然出逢った二人。しかしジェマはこれまでガブリエルを避けて,あえてゼインとの報道がされることを偽装していたのでした。しかしシングルマザーである自分がきちんとした仕事先を持てなくなり,福祉局から調査が入ることになったため,あえてゼインとの関係にすがろうとしていたのでした。そんなジェマにガブリエルは婚約間近でありながら自分の個人秘書にならないかと持ちかけるのです。そして,愛らしいサンチアを見た瞬間,自分の娘であることに気づいたのでした。ガブリエルはジェマに結婚を持ちかけるのですが,子供を理由にした結婚などは将来のない関係であることからジェマこの提案を断ります。しかし,いよいよサンチアが福祉局から調査を受けることになり,ガブリエルは偽装婚約を持ちかけるのでした。せいぜい一週間ないし二週間の関係。そしてガブリエルの遺産相続とサンチアの調査が無事終了し,ガブリエルはこのままジェマと別れることが出来ない,婚約をこのまま本物の結婚にしようと提案を持ちかけるのです。自分に愛情を持ってくれていると確信したジェマはこの提案を受け入れます。しかし,式の前日,ガブリエルの元を美貌の女性が訪ねてきます。数日前に出張に行ったのを知っていたジェマはガブリエルの自分への愛に自信が持てなくなり,身を隠そうとします。満ち潮で陸地と離れてしまう別荘へ。そこをずぶ濡れの姿で男性が訪れてくるのでした。劇的な幕切れがすがすがしい良著です。


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黒い瞳のジェラシー [フィオナ・ブランド]

SHALOCKMEMO790
黒い瞳のジェラシー (ギリシアの恋人 2)
A Tangled Affair 2012」
フィオナ・ブランド 大田朋子





姉シエナと恋人のコンスタンティンの結婚式で再会するカーラ・アンブロウジとコンスタンティンの弟ルーカス。兄弟姉妹同士のカップルはすでに2年前に恋仲になっていました。えっ,これって許される関係なの?そんな疑問が初めに浮かんでしまいます。でも,そんなことは,本作ではいっさい問題にされません。
カーラは,生まれつきの強度の心配性で,ストレスとウィルス性の病気をきっかけに胃穿孔になり,薬を服用してきました。でも,2年前に関係を持って以来,二人は互いの気持ちを周囲には隠し,付き合うことをやめていたのでした。自分だったら,神経質でその割には独特のファッションセンスを持ち,他人の言うことを聞き入れない,自分勝手で嫉妬深い女性には,ちょっと距離を置くだろうな,カーラはそんな女性です。一方,ルーカスもかつて,カーラと出逢う前にフィオナという恋人がいましたが,すでに破局し,それがトラウマとなりカーラとの関係にも慎重にならざるを得ません。もし兄コンスタンティンとカーラの姉シエナの関係が無ければ,二人は再会することもなかったでしょう。会社を守るためにすべてを投げ打っていたシエナと,コンスタンティンが互いの感情に素直になり,幸せをつかもうとしていたとき,カーラとルーカスもまた,少しずつ歩み寄り,互いの気持ちに素直になっていくのです。ルーカスが兄の結婚式に同伴した社の宝石デザイナー,リラ・コールとの関係を疑っていたカーラですが,本当はルーカスのかつての恋人フィオナとの見えない相手との闘いだったことに気づいて,別れようとしていたとき再び体調を崩し,それを心配したルーカスがカーラへの気持ちを再確認したのは,皮肉な関係としか言いようがありません。そして,リラが次のロマンスのヒロインとなります。このシリーズ,なんだか因縁めいた関係をひたすら求めているようなシリーズとなっているのは,どうなのかなぁという感じが否めません。生真面目なリラがヒロインとなる次の作品に期待です。


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冷ややかなプロポーズ [フィオナ・ブランド]

SHALOCKMEMO783
冷ややかなプロポーズ A Breathless Bride 2012」
フィオナ・プロポーズ 神鳥奈穂子





「シエナは長い金髪に黒い瞳,優雅な物腰の持ち主」,「アンブロウジ・パール社CEO」シエナ・アンブロウジ
「アトレウス・グループ」CEO,コンスタンティン・アトレウス,弟ルーカス及びゼイン
シエナは父親が賭博で作った借金で会社の経営権を失うまいと新たな投資家を求めていた。父の葬儀で数年前に婚約の直前までいきながらも別れざるを得なくなったコスタンティンに再会する。コンスタンティンがCEOを務めるアンブロウジ・パール社は,シエナの会社に莫大な損害を与えられたために二人は仇敵同士となってしまい,そのまま婚約は解消されてしまった経緯があった。シエナは相手が仇敵でありながらも,別れざるを得なくなったコンスタンティンが未だに自分に対して感情的にも肉体的にも圧倒的に魅力的であることを認めざるを得ない。しかし,会社を守るため,その感情を振り切ってコンスタンティンとの距離を置かなければと思っていた。
こんな設定で始まる本シリーズ「ギリシアの恋人」ですが,アンブロウジ姉妹のシエナとカーラ,そしてアトレウス兄弟のコンスタンティン,ルーカス,ゼインが互いに関わりあっていくようです。その第1作の本作は長男/長女のコンスタンティンとシエナがヒーロー,ヒロインとなります。二人は何かと感情をぶつけ合いながらアンブロウジ社の開くパーティに参加し,そこでいろいろな出来事,そして一夜の関わりを持ちます。仇敵の家同士の男女のラブ・ロマンスの典型的なストーリー展開ですが,互いに気持ちを残しながらも家の関係で別れざるを得なくなった二人が,その障害を乗り越えてハッピーエンドを迎えるまでの一連の物語が丁寧に描かれ,安心して読める一作です。


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