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大富豪と愛を語る花 [レベッカ・ウィンターズ]

SHALOCKMEMO1113
大富豪と愛を語る花 Taming the French Tycoon 2015」
レベッカ・ウィンターズ 小長光弘美





ハーレクイン・イマージュ2400号の記念号。著者レベッカ・ウィンターズの献辞がついています。翻訳版表紙もちょっと豪華な感じです。本国版はハーレクイン版もミルズ&ブーン版もヒロインの美しさを十分伝えきれないモデルを使っているように思います。絶世の美女というのではなく,もう少し若い感じで目のくりっとしたお茶目な感じ,少女と大人の中間のような表情をした美女がふさわしいのではないかと思います。時に夢を持ちつつもしっかりしたところを持つ頭脳のきらめきが感じられる表情,時に美しさを愛で,花の香りの微妙な違いに気付いて心が満たされているような表情,そんなさまざまな表情を持ち,しかも愛らしさが感じられる女性,それが本作のヒロイン,ジャスミンではないかと想像しています。原題は「フランスの富豪を利用して」となりますが,ジャスミンが祖父から受け継いだ「フェリエ社」の発展のために,大手銀行の頭取リュックを利用し,与えられた使命を果たしていくという荒筋です。でも,ジャスミンはリュックになにもかも隠さずにストレートにぶつけていくところが小気味よく,それがジャスミンの魅力でもあります。ヒーロー,リュックも最後の決断をするところは何とも素敵ですが,初めの出会いがひどかったにもかかわらず,互いを意識せざるを得なくなる,いわゆる電流が走った瞬間でもありました。その理由もその都度説明調ではありますが互いの口から語られ,目的遂行に向かって次々に計画が成果を上げていくところが,読者に爽やかな感動を呼び起こしていく傑作でもあります。ウィンターズ作品はまだ4冊目に過ぎませんが,駄作がなく,しかも世界各地を舞台に,その土地その土地の詳細にわたった記述が読んでいて知的好奇心を刺激してくれる作品が多いという印象を持っています。本作では香水づくりの難しさ,南フランスの香水産地グラースの様子が克明に描かれ,タイトルは忘れましたが,昔見た映画を思い出しました。


タグ:イマージュ
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愛を見つけたギリシャ [レベッカ・ウィンターズ]

SHALOCKMEMO922
愛を見つけたギリシャ If He Could See Me Now 1999」
レベッカ・ウィンターズ 中尾千奈美





空軍軍人を父に持つレイチェル・メイナードは,父が手にした証拠写真が社会に大きな衝撃を与える可能性があるため,政府関係者から狙われ,ついに亡くなったことを知ります。そして6年前,寄宿学校で仲の良かったステラとの関係をステラの兄のニコラス・アタスによって壊されてしまったことを恨んでいるのでした。自分を助けてくれる精神科医,そして秘密の自己改造クリニックといくつかの段階を経て,ニコラスに復讐するための準備が整います。ニコラスがどこにいるのかを確かめるためレイチェルはニューヨークのニコラスの兄スタシオ・アタスの会社を訪ねるのでした。復讐するべき相手の兄なのに,レイチェルはスタシオのそばにいるとなぜかドキドキしてしまうのです。スタシオは自分がこれから甥を連れてギリシアへの船旅をするのでニコラスに会うためには一緒に行かないかと誘います。レイチェルはこの提案を断ることは出来ませんでした。客船にはスタシオの婚約者エレニも乗船する予定でしたが,船酔いがいやだとエレニは乗船しませんでした。甥のアリと3人の7日間にわたる船旅。この間にスタシオとレイチェルの間にはアリを挟んで温かい心の交流がありました。互いのすばらしさに気づいた7日間でした。チビででぶで赤毛の女の子だったレイチェルがスタシオに逢ったときには別人のようにほっそりして女性的な魅力にあふれた大人の女性に変身していたのですが,外見よりもレイチェルの優しさ,思いやりの深さ,頭の回転の良さにスタシオは惹かれていたのでした。父の持っていた証拠写真を手に入れようと,空軍のドット大佐は上司の将軍に命じられて部下とともにレイチェルの後を追っていますが,3ヶ月間クリニックにこもっていたため行方を見失っていたのでした。ギリシャに向かう船旅をしているとは全く気づいていませんでした。しかし,通話記録などからドット大佐はクリニックにいたことがわかり,レイチェルの元上司に大怪我を負わせただけでなくクリニックにも押し入りパソコンなどから情報を得ようとしますが,セキュリティを厳しくしているクリニックからは情報は得られません。しかし,ドット大佐が追ってきているのではないかと不安を持つレイチェルはクリニックの担当医師と連絡を取り合わざるを得ません。結局ギリシャにいることがわかってしまいます。そして,ドット大佐はステラの息子アリの誘拐を企てるのでした。レイチェルからみんなを危険に巻き込んでしまうかもしれないと告げられていたスタシオは警戒を続けていましたので,この誘拐劇は失敗に終わります。しかしこの事件は二人が互いに離れがたく思っていたことをさらに証明する機会になるのでした。
前後して,ステラは恋人テオとの間に一人息子アリを設けていましたがまだ若く,子供を育てる心構えをないままでしたので,アリを養子に出しいずれ引き取るつもりでいました。ギリシャとニューヨークの間を仕事の都合に合わせて行き来し,アリの様子を逐一養父母に確かめていたスタシオは,いよいよ自分がエレニと結婚しアリを引き取ってステラと住まわせようとしていましたが,独占欲の強いエレニは自分の子供でもないアリを引き取るつもりはなかったのです。次第に婚約したのは間違いだったのではないかと考えるスタシオ,そんな気持ちを持ち始めたのは勿論レイチェルと船旅で過ごした7日間の経験があったからです。レイチェルならアリとの関係もよく,ステラの気持ちも十分分かっている,そんな打算的な気持ちをなんとか忘れようとも努めます。復讐計画を思いとどまろうとするレイチェル,レイチェルに惹かれようとする気持ちを抑えようとするスタシオ,二人の思い合いながらも離れなければというねじれた関係が読者をやきもきさせます。そしてついにエレニとの婚約を解消するスタシオ。レイチェルもドット大佐から逃れるためにはスタシオの警備体制が必要で,アリを養子にするためにという言い訳を無理矢理つけてスタシオとの結婚を承諾するのでした。多くの事情が絡み合い二人の愛の行方が混沌としていくのですが,ニコラス,エレニ,そしてアリの養父母との関係などが少しずつほぐれていき,ついに結婚式にこぎ着けます。5歳という年齢ながらアリが大人のように周囲の人たちへの配慮をすることに驚きますが,シングルマザーである母親を傷つけまいとして,心を痛めていたのだろうなと思うとなんともかわいそうな気がします。アタス家の人々がこの小さなアリに励まされ,元気をもらい,優しい気持ちになっていくのが何とも快く,癒やしを与えてくれるのも本作のすばらしさだと思います。


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皇太子と臆病なシンデレラ [レベッカ・ウィンターズ]

SHALOCKMEMO830
皇太子と臆病なシンデレラ Becoming the Prince's Wife
(靑き海のプリンスたち 2) 2014」
レベッカ・ウィンターズ 氏家真智子





シリーズ第2弾は前作で結婚したアビーとヴィンチェンツォの親友となったジェメリ王国の皇太子,ヴァレンティノとアビーの同僚だった弁護士カロリーナの,つまり親友同士のロマンスとなります。代理母だったアビーがヴィンチェンツォと結ばれるというストーリーだったのに対し,本作では,ジェメリ王国の皇太子妃候補を巡る後継者問題も取り上げ,次作への期待を高めています。皇太子でありながら危険な地震予知研究所での研究をするヴァレンティノ。アビー,ヴィンチェンツォとともにジェメリ王国を訪ねたカロリーナがプールで偶然出逢ったヴァレンティノと一瞬のうちに恋に落ち,すでに婚約者の存在が噂されている皇太子との愛は不毛なものに終わるはずだと身を引こうとするカロリーナを,ヴァレンティノがどのような方法で引き留めようとするのか,そして皇太子妃候補のアレクサンドラ王女とヴァレンティノの弟ヴィターレが出した結論とは?あわや四角関係かと思われた世継ぎ問題がすんなりと解決していく過程に爽やかさを感じる一作です。カロリーナの美貌と奥ゆかしさが際立つストーリーと表現が随所に見られ,最近読んだ中ではその美しさでは群を抜く存在だと思います。


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殿下に捧げる初恋 [レベッカ・ウィンターズ]

SHALOCKMEMO811
殿下に捧げる初恋 (青き海のプリンスたち 1)
Expecting the Prince's Baby 2014」
レベッカ・ウィンターズ 小林ルミ子





代理母となったアビゲイル(アビー)・ロレットと皇太子妃を亡くしたアランチャ王国皇太子ヴィンチェンツォ・ディ・ラウレンティスのロマンスです。三度の流産で出産をあきらめた皇太子妃ミケリーナは,医師に相談し,代理母という方法もあることを知り,ヴィンチェンツォと相談してその方法をとることにします。候補者の中から二人が選んだのは,宮殿の警護隊長の娘で長く宮殿に住む弁護士のアビーでした。ヴィンチェンツォとアビーには長い心の交流があり,気心も知れていたことやミケリーナとの仲も良いことで,三人は代理母としてふさわしいと考えたのでした。ところが,ミケリーナが亡くなるという予想外の出来事が起こってしまいます。子供はアビーのお腹の中ですくすくと成長し始めたのに,母親であるミケリーナがいない,この事実にヴィンチェンツォもアビーも戸惑います。さらにミケリーナの母であるジェメリ王国の女王ビアンカ・カヴェリに代理母の存在を知られてしまい,アビーを許さないと言われてしまいます。その後,様々な妊娠に伴うアビーの変化とともにヴィンチェンツォとアビーの間の関係も少しずつ変化していきます。なにより,ミケリーナ亡き後のヴィンチェンツォの再婚相手を父国王が積極的に探し始め,ヴィンチェンツォを伴ってフランスに出かけたりしたからです。代理母の契約上,アビーは出産後速やかに出国し,二度とアランチャ王国に関わらないことが明記されています。ヴィンチェンツォの優しさや,自分のお腹を痛める子供と二度と会えなくなることが,アビーの心に重くのしかかってきます。しかし,皇太子を愛しているアビーは,その気持ちをヴィンチェンツォに知られないように,明るく振る舞うのでした。いよいよ陣痛が起き,アビーはそのことをヴィンチェンツォに知らせないように護衛官に頼み,病院に運ばれます。生まれてくるのは王子か王女か。

二人の気持ちがどのような形で結ばれていくのかがその後語られますが,二人の気持ちには周囲の何人もの人が気づいていました。それが二人を結びつけようとするのか,離れさせようとするのか,レベッカ・ウィンターズは素敵な結末を用意しています。読後感がほんわか暖かくなる作品です。


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