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情熱と戸惑いのエンゲージ [ジェイン・アン・クレンツ]

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情熱と戸惑いのエンゲージ Dawn in Eclipse Bay 2001」
ジェイン・アン・クレンツ 琴葉かいら





「エクリプス・ベイ」3部作の第2弾です。前作で結婚したハンナ,レイフがハンナの祖母が残した屋敷をホテルとレストランに改修しようとしています。しかし改修中は二人はそこに住めないので,ロスに引っ越してしまいます。二人の結婚を機にレイフの兄ガブリエル(ゲイブ)は,ワークホリックの生活から,自分にも伴侶が必要だと感じ,ハンナの姉リリアンの経営する結婚相談所の会員となり,何度かお見合いをするのですが・・・。対立するクリスプ・ベイの有力家族ハート家とマディソン家の長男・長女が,次男・次女に続いて絆を深めていくという大きな流れですが,ハート家の長男ニックの物語が第3弾となるようです。
さて,ハート家のリリアンは,開発した結婚相談のシステムに沿って沢山のカップルを生み出し,まずまずの成果を得,事業も発展してきたのですが,本来は画家として生きて行きたいと考えていました。事業経営に優れた才能を持つハート家の中では少々変わり者だったのです。そして自分が結び合わせたカップルたちが将来にわたり自分の持つシステムで人生を歩んでいくことに少々心配と怖れを抱くようになってきたので,遂には事業を閉め,画家として生きて行こうと決意します。マディソン家のゲイブが相談所に登録したのはそんな時だったのです。一方,なにかとトラブルを起こし,何度も結婚に失敗しているマディソン家の長男ゲイブは,自分の中に結婚には向かない血が流れていると思い,これまで結婚を意識したことはなかったのですが弟夫婦の仲むつまじい様子を見て,事業家として成功した自分もそろそろ生涯の伴侶を得たいと考えいたところでした。そして,何度かリリアンの進める相手と会っては見たもののすぐに断られてしまうのでした。そして,女性との会話がうまくいかない理由はリリアンの存在があることに気づき始めるのです。長期の休暇を取ってエクリプス・ベイにやってきたゲイブ。祖父の家には住まず,ハート家の別荘の近くの家を借りて住みます。近くにはリリアンの住んでいます。二人が互いに行き来し,二人の関係が深まっていきます。そして二人の周囲ではエクリプス・ベイで様々な事件が起こり,二人がその事件に巻き込まれながら一つ一つ納得のいく形で謎を究明し解決していきます。両家の間にも,レイフとハンナの結婚式以来,対立してきた雰囲気が和らぎ始めゲイブの祖父とリリアンの祖父も連絡を取り合えるようになっていきます。そして,なかなか交際の形を発展させないゲイブとリリアンの関係を深めるようにプレッシャーを掛けていくのです。愛を形にしていこうとする両家の家長たちの微笑ましく,なんとも温かい行動が,可愛らしくもあり,読者を引き込んでいきます。エクリプス・ベイの不思議な住人たちも随所で大活躍し,アットホームな町全体が両家の存在で少しずつ変化していく様子も楽しみです。最終巻の訳が待たれます。


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渚と吐息のコンチェルト [ジェイン・アン・クレンツ]

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渚と吐息のコンチェルト Eclipse Bay 2000」
ジェイン・アン・クレンツ 琴葉かいら





ジェイン・アン・クレンツのものを読むのはずいぶん久しぶりになってしまいました。ノーラ・ロバーツ,リンダ・ハワード,サンドラ・ブラウンとともに,かつてはジェインの作品がもっとも好きだったことから見ると,現在では魅力的な様々な作者たちの作品が数多く翻訳され手にとることが出来るようになったことが,その原因かもしれません。今回,MIRA文庫のリスト整理をしていたところで,まだ読んでいないジェインの2作もののミニシリーズに気づき,電子書籍で読むことにしました。
さて,本作は現代のロミオとジュリエット。しかも親子3代にわたるハート家とマディソン家の確執の中で3代目に当たるマディソン家の次男ラファエル(レイフ)と長男ガブリエル(レイフ)がヒーローとして登場する2作"Eclipse Bay"シリーズです。3作目はまだ翻訳がでていませんが,1作目と2作目の翻訳の間が2年もあいていることからして,3作目がでるのはまだ先のことのような気もしますので,とりあえず2作は読んでしまおうというつもりです。本作ではレイフがヒーロー,ハート家のハンナがヒロインとなります。出会いから8年が経ち20代初めだった二人は30代に入っています。何事もきちんとするハート家の伝統と,なにごとももめずには処理できないマディソン家という対照的な家族を背負った二人が遺言によって一つの建物を半分ずつ譲られ,互いに互いの分を買い取ってそれぞれ活用としようとしたところで,二人の関係が再燃し,やがて互いに離れられない存在になっていき,親子三代にわたる確執を乗り越えて対立する家族のくさびとなっていくという大きな流れです。第2作ではレイフの兄ゲイブとハンナの姉リリアンがヒーロー,ヒロインとなります。本作ではレイフが殺害したのではないかと疑われ,ハンナの証言で犯人扱いを逃れた事件が8年後の現在二人がエクリプス・ベイに戻ってきたことから再燃し,物語の中心的な謎としていわゆるサスペンスの部分を担当しています。さらにレイフが8年間何をしてきたのかということも少しずつ明かされるとともに,レイフの祖父ミッチェルが活躍しこの謎の解明に一役買うという,どちらかというとマディソン家寄りの人たちが活躍する展開になっています。原作は2000年の出版で,15年も前の作品ですが,コンピュータもストーリー展開に大きく関係し,ほとんど古さを感じさせない作品に仕上がっています。また,シリーズとしてだけでなく,単独咲くとして読んでも十分に面白さと暖かさを感じられる作品ということが出来ます。さて,もしあなたが男だったら,ハンナのような女性を好きになるでしょうか?ちょっと口うるさく,何事も計画的に進めなければ気が済まないような女性,ちょっと息苦しさを感じるかもしれませんね。でも,レイフに取ってみれば,そこが,逆に魅力を感じてしまうところのようです。


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