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愛を知らなかった花嫁 [インディア・グレイ]

SHALOCKMEMO899
愛を知らなかった花嫁 Mistress : Hired for the Billionaire's Pleasure
"Hired : For the Boss's Pleasure 2" 2008」
インディア・グレイ 藤村華奈美





久々に読みながら涙が出てきた作品です。空軍のパイロット,オーランド・ウィンタートンは進行性の眼病にかかってしまい,パイロットとしての生命が維持できなくなりますが,戦略家として国防省の仕事を続けています。しかしプライドの高い彼は周囲の人たちに同情されたくはないため,ひたすらそれを隠しています。ピアニストとして才能豊かなレイチェル・カンピオンは自分を商品としてしか見なしていない母エリザベスにうんざりしてはいますが,しかし幼い頃からピアニスト以外に生きる道がないと思い込まされています。そのため指揮者で樽のような体型のカルロスが自分との結婚を母を通して要求してきてもそれを断るだけの勇気が出ずに,結婚式の当日を迎えてしまいます。しかし数日前にあったオーランドから勇気を出せと言われた言葉を信じて控え室からウエディングドレスのまま車のキーを手に取り脱出します。でも,どこに?偶然開いている門から車を入れて,しばらく放心状態でいるところに屋敷の扉が開いて出てきたのはなんとオーランドでした。それから奇妙な二人の生活が始まります。オーランドの元恋人アラベラが現れ,オーランドの子供だと赤ん坊のフェリックスを置いていってしまいます。仕方なくフェリックスの面倒を見始めるレイチェル。その愛らしい,そして自分の愛情を注ぐ対象を得たレイチェルはフェリックスに夢中になってしまいます。同時にオーランドにも・・・。しかしオーランドは自分の子供だというのに仕事ばかりで全く子供の面倒を見る様子がなく,アラベラとの関係がオーランドにはふさわしいと,レイチェルはあきらめの気持ちを持ちます。そんな時アラベラが怪我をして入院したという知らせが入り,オーランドとレイチェルはフェリックスを連れてパリを訪れます。そして病室でアラベラがレイチェルにオーランドとの関係の復活と,もし申し出を断ればフェリックスをブラジルに送ってしまうと言う話を聞き,レイチェルは二人の下を離れることを考えます。ホテルのドアをたたく音でオーランドかと思ってドアを開けたレイチェルの元を訪れたのはカルロスでした。演奏の契約が残っており,レイチェルは演奏しなければならないのです。しつこく自分に言い寄ってくるカルロスに言い返していたところに助けに現れたのはオーランドでした。カルロスにレイチェルの場所を教えたのはアラベラだったのです。
数ヶ月後。このあとが泣けるところです。すでにオーランドとの愛の結晶を宿していたレイチェルは演奏旅行を続け,オーランドもフェリックスの面倒を見ることになれていました。コンサート会場を訪れたオーランドとフェリックスに気づき泣くフェリックスをなだめるためにショパンを弾くレイチェル。観衆はただただこのステージと客席最後列の二人と赤ん坊の交流に感動しているのでした。勇気を出してレイチェルはオーランドを引き留めることが出来るのでしょうか。
シリーズ第2作目となる本作ですが,独立した作品として読んでも十分にこの作品のすばらしさが伝わってくる秀作です。お勧め。


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