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内気なシンデレラ [クリスティーン・スコット]

SHALOCKMEMO936
内気なシンデレラ Cinderella Bride 1996」
クリスティーン・スコット 桜 香緖里





原題は「シンデレラの花嫁」。おもちゃ製造販売の会社「ケンドリック・トイズ」の社長で先代の息子ライアン・ケンドリックは父の遺言に驚いた。1年以内に結婚しなければ会社は譲らないという。全く結婚する気のなかったライアンは相手を見つけられないまま10カ月が過ぎてしまう。そして会社のパーティで出会った一人の社員ミズ・ギルバートに一目ぼれしてしまう。しかし彼女がどの部署で働いているのか知らない。翌日すぐに社員名簿からリストアップするよう秘書に申しつけたライアン。一方シンシア・ギルバートは秘書として部長の下で働いていたが,社長の下に書類を届けるように命じられる。パーティで出会ったのはロジャーと名告る男性で苗字は聞かなかった。そして社長のケンドリックはとても恐ろしい人物だというのが会社内でのもっぱらの評判だった。で,部長から社長に書類を届けるように言われたとき,思わず震えてしまうシンシアだった。
いわゆるオフィス=秘書ものですが,大富豪のヒーローは結婚に期限を切られており,一方ヒロインは母と姉夫婦にその子供たちと同居して義兄が失職したため今の仕事が唯一の収入源でとても苦しい生活ながら,温かい家庭に恵まれそれなりに幸せに暮らしていたのでした。そこに降って沸いたのが社長から結婚してくれと言う申し出を受けたことです。業界でも独身男性としては垂涎の的だと言われているライアン。そんなセレブから結婚を迫られれば一も二もなくシンデレラ生活に飛び込めるところですが,なんとシンシアはその申し込みを断ります。ただ,仕事を失うわけにはいかないので社長秘書室への異動は受けざるを得ませんでした。その申し込みは自分の家の財政を救ってくれる申し出だったにもかかわらず,愛のない結婚をすることはどうしても出来なかったからです。連日のようにプレゼント攻勢で責めてくるライアン。季節はもう感謝祭。つまり期限まであと1月あまりとなったとき,ライアンとシンシアは互いを知り合うため1日を半分に分けて互いで計画を立て,その計画に沿って過ごすことにします。セレブと貧乏の両方の暮らしを見合おうというわけです。きっとライアンは自分たちの生活を見れば嫌気がさして結婚の申し出をあきらめるだろうというのがシンシアの計画でした。ところがそんなシンシアの計画にもライアンは意外と楽しそうに過ごし,さらにライアンの計画に沿って高級レストランでの食事とオペラの観劇にもシンシアは満足してしまいます。感謝祭を一人で過ごすのは寂しいだろうと思ったシンシアはライアンを家の食事に誘おうと思いましたが,これも断られたら恥ずかしいという思いで誘いませんでした。しかしシンシアの車が故障してライアンに家に送ってもらったとき出くわした母がライアンを翌日の食事に誘いあっさりとライアンも承諾します。そして食事の後に幼い頃のアルバムを見て深い愛情の元に育てられたシンシアをうらやむ気持ちを持ったライアン。いよいよシンシアとの結婚をあきらめるわけにはいかない思いを強くするのでした。その夜ライアンの家で互いの気持ちの高まりでいよいよ,というときになって,シンシアが26歳でまだ経験がないことを白状します。そんなシンシアの純情さにつけいることは出来ないとライアンはシンシアを帰してしまうのでした。こんなところがライアンも紳士的で優しい性格なのだとますます惹かれていくシンシア。そしていよいよクリスマス。ここ2週間ライアンはシンシアと目を合わせようとしません。そしてクリスマスまでニューヨークに出張,互いを見つめ直すには丁度いい機会でした。そして義兄の仕事が再び出来るようになり,資金を出したのはきっとライアンだろうと想像がついたシンシアですが,そんなライアンの気遣いはきっと私を愛してくれているからだと信じることが出来るまでにシンシアの気持ちは高まっていきます。ところがサンフランシスコに帰郷したライアンは,結婚をやめようと言い出すのでした。遺産を受け取るためではなく,シンシアを愛していることを証明したいために期限まで結婚はしないと言うつもりのライアン。そんなライアンの気持ちをシンシアは変えられるのでしょうか。そして二人のロマンスの行き先は・・・。登場人物が皆暖かく二人の関係を見守ってくれている様子が随所に見え,ほんわかした気持ちになる作品です。ロマンス小説の王道を行くシンデレラストーリーです。


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