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見せかけの結婚 [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO1361
見せかけの結婚 The Tycoon's Bride
( Greek Tycoons 6 ) 2000」
ミシェル・リード 槇 由子




HQB-345
11.01/¥650/198p

R-1661
01.03/¥672/156p


 原題は「富豪の花嫁」
 ヒロイン:クレア・ステンソン(21歳)/異父妹の世話をしている娘/イギリス人,身長173センチ,ブロンドと赤毛が溶け合った髪色,青い瞳/
 ヒーロー:アンドレアス・マルコポーロ(36歳)/銀行頭取,ギリシア人/長身,ブロンズ色の肌,黒い瞳,くっきりした唇/
 生後2カ月の女の赤ん坊を抱えた21歳の大学中退した世間知らずな娘クレア。クレアを次々に襲った不幸の結果が現在の姿でした。事業に失敗した父が自殺し,母と小さなアパートに移ったところで母が出会った外国の男性との間に愛らしい女の子メラニーが産まれたものの,母は産後の肥立ちが悪くなくなってしまう。経済的に苦しくなっていたクレアは大学を中退してアルバイトをしていたもののメラニーの世話で仕事も辞めなければならなくなります。唯一の身内である伯母はメラニーを養子に出して大学に復帰するなら経済的に援助しようというのですが,幼い妹を他人の家にやることなど考えもできません。断固伯母の提案を断ったクレアは伯母が老いていったお金の間にクレジットカードが挟まっているのを見つけて慌てて伯母の後を追って道路に出たとたんに車と衝突して動けなくなってしまいます。気付いたときに目にとまったのは浅黒い肌のハンサムな男性。それは伯母の雇い主であるアンドレアス・マルコポーロでした。アンドレアスはクレアを救急車に乗せ病院で意識が回復するまで付き添います。さらに退院が許可されると自分のペントハウスへ連れて行き,怪我の全快までメラニー共々療養するように言うのでした。メラニーも家政婦のレフカやその娘アルテア,運転手のニコスなどに可愛がられ,すっかり落ち着いているようです。メラニーを育てるのは自分しかいないと思っていたクレアは,面倒を見てもらうのも居心地が良いのですが,アンドレアスが近くにいるとどうしても男性を意識してしまい,若さゆえに反抗的になってしまうのでした。6年前に妻を亡くし,依頼結婚は2度としたくないと考えていたアンドレアスにも弱点がありました。92歳になる祖母のエレニがどうしても日添えをもらうように圧力をかけてきていたのです。合わせて親族一族も役員会で圧力をかけてきます。最近祖母が弱ってきていることからアンドレアスは窮余の一策としてクレアに便宜的な結婚を提案するのでした。しかもメラニーはクレアと自分との間に生まれたことにして・・・。これからどうやって生活していこうかと思っていたクレアにとって,今回の怪我でメラニーを一人では抱くこともできなくなったことや祖母が亡くなったら結婚を解消して好きなように生きて行って良い,メラニーも一緒に暮らして良いという破格の条件に,自分はお金で自分を売ってしまうのだという悲しい気持ちを抱きながらもメラニーに安定した生活を送らせるためならば自分の気持ちを抑えてアンドレアスの提案に乗るしかないと承諾の返事をします。そして3人はギリシアの祖母の家に行くのですが。しかし居心地の良さそうな豪勢な家に着いた3人を出迎えたのは,アンドレアスの義姉で1年前に夫を亡くしたデズモナでした。30代に見える落ち着いた美女ですが冷たい氷のような銀色の瞳で,クレアには最初から敵意をむき出しにします。実は親族の間では急逝したアンドレアスの兄ティモの妻デズモナとアンドレアスの結婚を画策していたのでした。女性を財産とみるギリシアの古い価値観。結婚をしたくないアンドレアスにとってこのデズモナとの結婚を断るためにも,親族の圧力から逃れるためにもクレアとの便宜的な結婚は実質的な結婚とは違うことでも,子供のいない自分にとってメラニーという後継者まで一緒にできるということで,何より都合のいい話しだったのです。しかしメラニーにも自分にも優しく接し,6年前に妻ソフィアを亡くしたことを聞き,さらに時折二人きりの時に優しく唇を近づけてくるアンドレアスに,次第にクレアの気持ちは愛に変わっていくのでした。やがて祖母の開いたパーティで二人が婚約したことを一族に披露されます。遅れてきたデズモナはクレアに近づいてくると出席者の中にアンドレアスの愛人がいると仄めかします。気にするまいと思いながらも疑心暗鬼になっていくクレア。デズモナの策略だと気付かないのもクレアの若さ故でしょうか。やややけになったクレアはパーティに来ていた若者達の誘いを受けて庭でシャンペンを片手に踊りの輪の中に入っていきます。気付いたときはアンドレアスが硬い表情でその集団をにらみつけていました。アンドレアスが指をパチンと鳴らすと若者達はさっと部屋に戻ってしまい,アンドレアスに手を引かれてクレアは寝室に連れて行かれ・・・。そこでクレアの気持ちとアンドレアスの気持ちは高まってしまい,遂にクレアは身を捧げてしまうのでした。充実感を得たクレアに対してアンドレアスは「あってはならないことだった」と苦悩の表情を浮かべ,その言葉に傷ついたクレアは「出ていって」と叫んで一人泣き崩れてしまうのでした。
 やがて結婚式の日を迎え,クレアは祖母が準備してくれた高価なウエディングドレスに身を包み教会での式に臨みます。そして式の後クレアとアンドレアスは祖母の元にメラニーを連れて行きます。客たちの間を回っている間に祖母が永遠に目を閉じたという知らせが入るのでした。その夜,クレアはアンドレアスに向かって,もうかりそめの関係は終えてもいいと確認するのですが「これ以上見せかけの結婚を続けることに意味があるかしら」「見せかけはいつになれば見せかけじゃなくなるんだろうな」とアンドレアスは意外な言葉を発します。「彼は私を求めている」。今夜は初めての夜よとアンドレアスに近づくクレアでした。メラニーの養子の手続きもロンドンで無事に済み,幸せな日々を送るクレアは妊娠の兆候を感じます。時に,伯母ローラと連絡が取れなくなっていることが気がかりになりアンドレアスに訪ねますが返事を渋るアンドレアスに違和感を覚えます。数日後街で偶然伯母を見かけたクレアは話しかけますが,そこで伯母から聞いた話に驚愕の事実。しかもアンドレアスの大いに関係する事実とは・・・。
 ラストのアンドレアスの言葉「僕の幸せのカップはあふれ出している」の一言がとても洒落ています。もうかなりミシェル・リード作品は読んでいたように思っていましたが,読了したものは予想外に少ないのですね。本作でまだ5作目でした。凝った設定と説明口調が物語の流れを止めてしまいがちな面があり,読了に至らなかった作品もあったのですが,本作のように一気読みができる作品もあり,作者のサスペンス風味のロマンス作品を今後も楽しみに読んでいきたいと思います。


タグ:ロマンス
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ガラスの家 [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO1360
ガラスの家 House of Glass 1993」
ミシェル・リード 松村和紀子




HQB-155
08.05/¥590/203p

R-1346
97.09/¥672/156p
HQSP-070
14.09/¥540/208p


 原題は邦題そのまま
 ヒロイン:リリー・ノーフォーク(旧姓:ブレナン)(24歳)/主婦/しとやかな美しさ,小柄で華奢な体,短く癖のない淡い色の金髪,ベビーブルーの瞳,無邪気で愛らしい口/
 ヒーロー:デイン・ノーフォーク(30歳)/実業家/すらりとした鼻,太く黒い眉,グレイの目,黒髪,浅黒い肌,きりりとした厳しい顔立ち,長身/
 生涯一度の愛,そしてその思い出に生きること。これが本作のテーマです。ちょっと重いテーマを見事に描き出した大御所ミシェル・リードの作品です。原作は1993年で,名のある家イギリスのノーフォーク家。父はとんでもないプレイボーイでスキャンダルにまみれていました。デインとダニエルの兄弟の祖父から兄弟に科せられていたのはスキャンダルを起こさないことでした。そのために本当の姿を隠していなければならない生活を表面的に送る,つまりくずれやすい「ガラスの家」状態だったのです。ダニエルとリリーの結婚もやはりスキャンダルを隠すために行われたのでした。ノーフォーク家代々の牧場に住んだダニエルとリリー。そこもまさに「ガラスの家」でした。当時はまだダニエルの性癖が社会的に認められることはなかったでしょう。義兄デインと出会ったときから彼に惹かれてしまったリリーですが,父の事業の経営不振と母の病気をなんとかするためにはダニエルとの間に便宜的な結婚をせざるを得なかったのです。そして,ダニエルの突然の交通事故死。デインはダニエルの愛人であるマークをリリーの愛人と誤解し,徹底的にひどいことをリリーに言います。しかしリリーはダニエルの性癖をデインに言っても信用されないだろうとデインの思いたいように思わせていくのです。例え自分が非難されようとも・・・。葬儀も終わり,このまま牧場「レフトン・グランジ」での暮らしに耐えられなくなったリリーは,オーストラリアで過ごしている両親の元で過ごすことにします。空港近くのホテルで一泊しているとき,デインがリリーの元を訪れます。自らデインへの思いを告白し,身を投げ出すリリー。これが初めての男女の関係だったことに驚いたデインに問い詰められ,リリーはダニエルとの結婚生活の本当の姿を話すのでした。案の定デインはリリーの話を信じようとしませんでしたが,やがて,半年間はリリーを両親の元で過ごさせようと期限を切ります。その後も同じ気持ちだったらという言外の気持ちを匂わせたままデインとリリーは別れを告げます。
 明日で約束の半年の期限が切れるという深夜,リリーは香港に住んでいるマークに電話して,半年前のことの真相をマークに相談します。マークはダニエルとの愛人関係を「生涯一度の愛,そしてその思い出に生きること」と一言で言い表します。さらにリリーへのアドバイスとして「行ってチャンスを掴むんだ。つかめるチャンスは全部つかむことさ,リリー。さもないと自分が一体何を取り逃がしたのかすら分からずに一生を終えることになる。」と話すのでした。しかしリリーはイギリスへの帰郷を躊躇しています。「あのガラスの家。忌まわしいガラスの家。もしデインが今も私を求めていたとしても,世間の目からすれば,それは許されないことなのだ」「半年では足りない。一年ならまだしも」と決断がつけられないまま物思いに沈んでしまいます。2週間後,リリーの父の元にデインから「帰ってこい」とファクスが届きます。しかし世間から後ろ指を指されるいき待っている暮らし,ガラスの家に戻ることを躊躇するリリーは「ガラスの家をどうするつもり?」と書いてファクスを返信するのでした。さらにそれに対する反応は?・・・。
 あまりにメロウな作品で,好き嫌いが分かれそうです。粗野で男らしいデイン。対照的に明るく笑いに包まれたダニエル。その間で揺れるリリーの立ち位置が微妙な人間関係を生み,ダニエルの秘密が明かされるまでは想像はしていてももう一捻りあるのではないかと期待させて後半まで読ませます。結末はありきたりですが,電話でのマークとリリーの会話が本作のテーマをしっかりと主張しているところはさすが大御所と感じさせる作品です。


タグ:ロマンス
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忘れられた花嫁 [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO1111
忘れられた花嫁 Marchese's Forgotten Bride 2009」
ミシェル・リード すなみ翔





半年ぶりのミシェル・リード作品です。一夜を共にしたために男女の双子を出産したカッサンドラ(キャシー)・ジャニスがヒロインです。双子も5歳になり,やっとのことで生活も安定してきてシングルマザーとしても落ち着いてきたころ,キャシーの務める会社,バーテック社の経営者が新しくなり,今夜はその披露パーティの席上。新しいオーナーこそ双子の父親でかつての恋人だったアレッサンドロ・マルケーゼでした。当時はサンドロ・ロッシと名乗り,結婚を約束した中だったのですが,イタリアに一時帰国したきりキャシーは捨てられたのでした。何度か電話してやっと通じたとき,「きみのことなど知らない。知りたくもない。この番号には二度と電話をかけないでくれ」と冷たい言葉を受けてしまいます。すっかりサンドロへの連絡を絶って5年。なんとこんなとこで再会するとは・・・。
 再会した二人ですが,サンドロの名前が変わっており,さらにかつて冷たくされたのにもかかわらず愛想良く話しかけてくるアレッサンドロ。ひょっとして私を覚えていないの?それとも何あの冗談?実はアレッサンドロは帰国後婚約者と共に交通事故に遭いキャシーについての記憶を全て失っていたのでした。いわゆる記憶喪失ものと再会ものを会わせたような本作です。さて,再会し,キャシーはアレッサンドロの誘惑に抗しきれずにいる自分を見出します。そして双子と出会ったアレッサンドロは自分がお前たちのパパだよとバラしてしまうのでした。あんなに冷たくされたこと,さらに自分の承諾を得ないうちにどんどんと物事を進めようとするアレッサンドロに,幾ばくかのプライドを守ろうと言葉だけの反抗をするキャシー。このあたりの駆け引きは楽しめるところです。結局二人は簡単な式を挙げて結婚するのですが,記憶が少し戻るとアレッサンドロは失神したり倒れたりしてしまうのでした。演技ではなく本当に気を失うところを見てキャシーは次第にアレッサンドロの心の闇を想像して,彼への愛を確信していくのでした。アレッサンドロの記憶が完全に戻り,心の闇が消える時が来るのでしょうか。作者は素敵な結末を用意しています。爽やかな読後感を得られるオススメ作品です。


タグ:ロマンス
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復讐は愛ゆえに [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO942
復讐は愛ゆえに Eye of Heaven 1988」
ミシェル・リード 秋元由紀子




*PB-67
09.06/¥960/316p(156p)

R-1431
98.10/¥672/156p


女優ジェシカ・クリスシャンソン,映画の撮影で監督ジョエル・ブレークからセクハラを受けショックで現場から逃げるように出てきたところで,エージェントのテディことエドワード・G・サーステンから慰められ,写真撮影の現場に向かいます。ところが不機嫌な気持ちのまま撮影に臨んだところをカメラマンのアレク・ステッドマンに見抜かれてしまい,追い打ちをかけるように厳しい言葉を浴びせられてしまいます。すっかり冷静さを失ってしまったジェシカは泣きながら部屋を飛びだすのでした。事情を聞いたアレクは伯母のヴァイおばさんから慰められ,なんとか撮影を終わらすのですが,先ほどとはまったく異なったアレクの優しさとプロの技術に裏打ちされた態度にすっかり惹かれてしまいます。かつて付き合った男性からは不感症と罵られ別れたジェシカですが,アレクによって女性としての魅力に改めて気づかされます。しかし,二人の間の蜜月はそう長くは続きませんでした。それはアレクの前妻トレイシーの存在でした。身勝手でお金しか当てにしないトレイシーに,離婚後もなにかと援助してきたアレク。そして,子供を流産して,モデルとしてのキャリアも下降気味のトレイシーをアレクは見捨てることが出来ず,ジェシカに愛を語ることはありませんでした。トレイシーを選ぶと言われ,絶望してアレクの元を去るジェシカ。そしてロンドンでの舞台主演を決めるのでした。舞台を見に来るアレクの存在に気づいて演技に集中できないジェシカはテディを通じてアレクに会場に来ないようにきっぱり申し入れます。ロングランを続ける舞台の最中,姉ヘレンの義父アリストテレス・キリラキスから連絡が入り,姉と夫が交通事故に遭ったというのです。急ぎギリシアに飛んだジェシカ。そのジェシカのショックを心配し,アレクがギリシアまで同行するのですが,家族の下にジェシカを残しアレクは去って行きます。ところが,アレクがギリシアに残っているという情報を聞き・・・。
身長190センチを越える堂々としたアレクの体躯をジェシカは太陽神ヘリオスになぞらえていました。その魅力に背を向けることが出来ないと同時にアレクの方も外面だけでないジェシカの美しさをあきらめることは出来ないのです。こんな二人のベストカップルを作り出すミシェル・リードの人物造型のすばらしさに拍手です。そして二人のロマンスを陰で応援するヴァイおばさんやテディ,そして姉と義兄とその家族の応援も本作を暖かさで包んでいきます。


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二つの顔を持つ恋人 [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO940
二つの顔を持つ恋人 The Brazilian's Blackmailed Bride
(ラミレス家の花嫁 2) 2005」
ミシェル・リード 青海まこ





リレー連作シリーズ「ラミレス家の花嫁」の第2作はミシェル・リードの作品です。イギリスの銀行家アントン・ルイス・スコット・リーは6年前ブラジルの裕福で情熱的な美女クリスティーナと付き合っていました。しかし,父の葬儀のため一時イギリスへ帰郷せざるを得なくなります。その時,クリスティーナは父親から牧場の維持のために裕福な男たちの写真を見せられ,そのうちの一人と結婚することを余儀なくされたのでした。そしてバスコという知り合いの老人との結婚を受け入れざるを得ませんでした。当時の複雑な人間関係の歯車に翻弄されたクリスティーナ。そのことをアントン・ルイスは聞かされておらず,ただクリスティーナに捨てられたと思い込んでいたのです。6年後,エンリケ・ラミレスの息子であると知らされ,遺言のことを遺産執行人から聞かされたアントン・ルイス。アントンは銀行家としての冷静な彼の一面であり,スイスはブラジル人としての情熱的な面を表す名前。まさに二つの顔を持つ名前でした。スコット・リーは養父の苗字であり,セバスチャンという養父に大切に育てられ,ラミレスの実子であることは衝撃的な事実でした。そして遺言は彼が遺産を受け継ぎ,異母兄弟たちの情報を得られるのは,半年の間にクリスティーナと結婚して子供をもうけるという条件でした。6年前,ラミレスは馬に惹かれそうになったクリスティーナを助け,その時バスコは怪我を負ってしまい,バスコはラミレスにもクリスティーナにも復讐するために資金提供の替わりにクリスティーナとの結婚を画策したのでした。しかし,バスコの財産はすでにほとんど残っておらず,1年後にはバスコも亡くなります。リオの社交界からは金のために結婚したあげく金を手にすることが出来なかった未亡人というレッテルが貼られてしまいます。そして,ラミレスの遺言に腹を立てながらもアントン・ルイスはクリスティーナを手に入れるためにブラジルに渡るのでした。そして,二人の情熱は再燃します。再びプロポーズするアントン・ルイス。しかしクリスティーには明かせない過去があるのでした。さらにアントンを射止めようとする秘書のキンセラの存在やイギリスから急遽やってきた母の存在など,二人を隔てる多くの障害が横たわっているのです。二人がこれらの障害をどのように乗り越えていくのか。そして遺言の条件をどのように克服していくのか。前作に続き,これらに興味の対象は集中しますが,ミシェル・リードはそれを見事にクリアしていきます。思いがけない成り行き,そしてアントン・ルイスが出した結論。前作をしのぐまさに一気読みにふさわしい内容が描かれている好著です。三人目の遺言相続人はサラ・モーガンが描きます。果たしてシリーズの大団円をサラがどんな風に描くのか,そして約束のバレンタインの日,3人の異母兄弟たちがどんな風に集い,最後の遺言がどんなものになるのか,興味は尽きません。
書き込みをアップしようとして,まだミシェル・リードの作品を読了したことがないことに気づきました。もう何冊も読んでいると思い込んでいましたが,みんな途中で投げ出していたようです。


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