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プリスンセスはきみ [リサ・ケイ・ローレル]

SHALOCKMEMO1049
プリンセスはきみ The Irresistible Prince
(ロイヤル・ブライド 3) 1998」
リサ・ケイ・ローレル 泉 由梨子





シリーズ最終巻です。アンダース国の隣国コンステレーション国の皇太子ルーカス(ルーク)は,父王亡き後王位を継ぐことになっていましたが,そのためにはある一つの条件を満たしていなければなりませんでした。それは妻帯者であること。そこで,アンダース国のエリック皇太子やウィット王子の助言を受け,アンダースポイントのアンナ・レインのもとを訪れます。アンナはジュリー,ドルーの親友で他人の愛情を見抜く力があると思われていたからです。そのアンナにお后選びの助言をもらおうとルークははるばるアンダースポイントまでやってきたのでした。ルークは身分を隠したまま,町の様々な行事や催し物に参加したり,アンナの経営するカフェと古着屋に出入りする人と交流したりして町に馴染んでいきます。そして最大のイベントであるファイアーハウス・ダンスの場でアンナに告白する計画をたてるのですが,そこで思わぬパパラッチの出現に戸惑い・・・。
自分を省みなかった母親から愛を受けずに育ったために愛とは何かについて気付かない皇太子。前の結婚の失敗で子供を産めないと思い込んでいるアンナ。二人の事情で様々な気持ちのすれ違いが生じてきますが,互いに軽口を言い合える仲に発展していく二人が相性抜群のカップルであることに気づかないのは二人だけでした。そして町の人たちはルークが何者かにも気付いていながら知らないふりをしているなど,読者を驚かせたり喜ばせたりする仕掛けが随所にあふれ,暖かい中で泣かせる設定になっています。シリーズ全体を通してあまり悪役が登場しないことであっさりした味付けに終わりつつあるように感じていたにもかかわらず,本作は単独でも十分楽しめる作品に仕上がっています。オススメの一作。


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宿命の再会 [リサ・ケイ・ローレル]

SHALOCKMEMO1048
宿命の再会 The Prince's Baby
ロイヤル・ブライド 2) 1997」
リサ・ケイ・ローレル 桜 香緖里





シリーズ第2弾は,エリック皇太子の弟ウィットが主人公です。前作でも触れられていましたがプレイボーイとして名高いウィットは,父国王の命によりアンダース城に待機することになりました。休暇を取れということと,「なすべきことをなすまで」という謎の言葉しか言われていません。兄の結婚式のとき少しだけ見かけた新婦の友人ドルーとは,小さい頃良く3人で遊んだ思い出があります。7年ぶりの再会でした。ドルーは現在町の保安官ですが小さな町なので,巡査と警部を兼ねたような存在。さらには公証人と結婚式の立会人まで兼ねるというような一人役所みたいな感じです。物語の中でもこれらの権限を示す部分が出てきます。さて,ドルーには6歳になる一人娘レキシーがいます。小学校1年生。自分が王女だと言い張り,いつも頭に手作りのティアラをかぶっています。担任の先生から連絡があって学校に駆けつけてみると体育館のステージで蛙にキスをして王子に変身させようとしているレキシーがいました。周囲の子どもたちは王女じゃないと口々に叫んでいますが,レキシーは何度も水槽から蛙を捕りだしては蛙の頭にキスをしているのです。そして最後の蛙にキスをし終わったところで,ステージの陰からなんとウィットが現れ,自分はアンダースの王子だと名告ったのでした。とてもユニークで笑ってしまう場面ですが,ドルーにしてみれば驚き以上の困惑が襲ってきたのです。実はレキシーの父親はウィットでした。7年前に3カ月付き合った二人の間にできた赤ん坊がレキシーだったからです。そのことをドルーはウィットに話さないでいました。もしこのことが知られたら,ウィットは持てる力を総動員してレキシーを連れ去ってしまうかもしれないと思ったからです。そしてついに事実が明るみに出てしまいます。この辺で,父王の「なすべきことを・・・」という言葉が意味を持ってきます。エリック皇太子の結婚式で国王はレキシーに会いかなり気に入った様子でした。そして小さい頃のウィットの写真とうり二つのレキシーを見て,事実に気付いたようでした。しかしウィットが何も言い出さないことから,ドルーとレキシーがウィットと関係を取り戻すために一計を案じたのだろうと思います。ウィットもレキシーをじっくり見てこのことに気付き,ドルーに確かめたのでした。父親ではないとウソをつくわけにはいかないと覚悟してドルーは事実を告げます。それから,ウィットはドルーを責めるのではなく,この7年間の空白を埋めるかのようにレキシーとドルーに父親として認めてもらおうと頻繁に二人の元を訪れ,レキシーの「王子としてのテスト」に挑戦するのでした。ドルーに他の町での裁判への出廷が求められ,1週間ウィットがレキシーを預かることになります。そして裁判が終わって帰ってきたとき家には二人の姿がありませんでした。ウィットがレキシーを連れ出して出かけていたからです。しかし連れ出した理由を聞いたドルーはウィットが本気でレキシーの父親になろうとしている決意を感じ取り,ウィットを信じる気持ちになりました。前作で出てきたジュリーのエリックに対する言葉「信頼」がここで生きてきたなという感じです。その後も家を離れてる仕事が出てきたドルーはもはや安心してウィットにレキシーを預けることができたのでした。その頃,王命ではない件でウィットは対立する2国間の調整役を務めることになりました。一時はうまくいったように見えたこの調停も最後のところで再び話し合いをする必要に迫られ,ドルーの留守の間にウィットはレキシーを伴ってニューヨークに出かけます。会議の間中,同席したいとだだをこねるレキシーにしっかりと部屋でおとなしく寝ていなさいと命じるウィット。ひょっとしてこのことがきっかけで「テスト」には合格しないかもしれないと思いつつも,どうしてもウィットはこの調停を成功させたいと思っていたからです。たびたび隣室のレキシーの様子をのぞくウィットが,レキシーが寝言で「パパ」と呼んでいるのを聞いてしまいます。レキシーは気付いていたのです。ウィットこそ本当の父親であることを・・・。
ドルーとウィットがもちろんヒーロー,ヒロインなのですが,本作にはもう一人のヒロイン,レキシー(アレクサンドラ・アンナの愛称)がいます。本作のナイス・ヒロインです。親子3人での「幸せに暮らしましたとさ」というハッピーエンドが,物語のようにうまく収まっていくのでしょうか。


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運命の舞踏会 [リサ・ケイ・ローレル]

SHALOCKMEMO1047
運命の舞踏会 The Prince's Bride
(ロイヤル・ブライド 1) 1997」
リサ・ケイ・ローレル 庄司葉子




HQB-684
15.09/¥670/208p

L-820
98.09/¥641/156p


リサ・ケイ・ローレルのシンデレラ物語「ロイヤル・ブライド」シリーズの第1巻です。合衆国最東北部のメイン州のアンダースポイント(アンダース岬)には,「アイスランドからほど近い紺碧の北大西洋上に浮かぶ島国」アンダース王国の所有するアンダース城があります。現国王イバーと王妃が知り合ったと場所として王国によって維持されてきました。その管理人を任されているのはジュリー・ブリットンです。かつての管理人の孫娘でしたジュリーは16歳の時城で開かれた舞踏会で皇太子エリックと出会い,一目で恋に落ちました。二度目に出会ったのも舞踏会でした。王子はジュリーを覚えていてくれ,踊りを踊ることができました。休憩で外に出たときジュリーは皇太子に告白しますが,軽くあしらわれてしまいます。そして国王の手術が行われ,今回三度手術成功の記念舞踏会が開かれることになりました。城の管理を受け継いだジュリーにパーティを取り仕切る命がくだされ,ジュリーは準備に余念がありませんでした。そして普段であればパーティには華やかなことが好きな王子ウィットが立ち会うことが多いのですが,今回は皇太子が参列することになりました。それは真夜中12時に皇太子の婚約が公表されるイベントが行われることになったからです。皇太子に会えるという期待と婚約の発表に立ち会わなければならないという苦痛の板挟みになるジュリー。しかし秘密の連絡が入り,婚約者が急に婚約を破棄してしまったというのです。皇太子エリックには結婚しなければおおいを継げないという決まりがあります。国王の回復が遅れているのもエリック皇太子の相手がなかなか決まらないということが原因だと噂が流れています。図書室で対応を話し合うエリックとジュリー。そしてエリックは決意するのでした。今婚約をなかったことにはできない。それならば代役を立てなければ。そう,それにはジュリーがもっともふさわしい,と。ジュリーも事情を知るものとして幼いころから優しくしてもらっていた国王を悲しませ,困っているエリックを助けられるならばと,伊割りの婚約に同意するのでした。見返りは何が欲しいとエリックに問われたジュリーはたった一言「信頼」と答えます。なかなかすてきな条件ではありませんか。そして,見せるための二人の婚約期間が始まります。やがて国王の健康が回復し,王位を継いだら婚約を解消するという条件で二人は合意していました。しかし次第に周囲に人がいるときは優しさを見せるエリックですが,二人になると事務的な会話に終始する関係に満足できなくなるジュリーでした。そして二人の偽りの婚約に実は国王も気付いていたのです。国王と王妃が愛し合って結婚し,妻を亡くしたのちの国王の落胆ぶりを目の当たりにしていたエリックは愛による結婚がやがて不幸を招いてしまうという固定観念に縛られていました。そのためいわゆる政略結婚が自分にとって必要だと思っていたのです。しかし様々な問題にてきぱきと対応し常に自分と国王のことを気遣ってくれるジュリーの態度に,偽りの婚約ではなく本当の結婚を望む気持ちが強くなってきます。愛にあふれ,理知的で人の立場に立ってものを考えられるすばらしい女性であるジュリーはナイス・ヒロインです。さて,ボストンの病院に入院していた国王の退院とともに,国に戻るエリックはジュリーを伴うことにしました。そして正式にプロポーズします。しかし,結婚に愛は必要ないと言われていたジュリーはその申し出を断ってアメリカに戻ってしまうのでした。二人こそ理想のカップルだと見抜いていた国王は自分が王妃に抱いていた気持ちと愛する人との結びつきこそ国を治める上では必要だとエリックを諭します。これまでジュリーに対して抱いていた気持ちが愛だと気付いたエリックは,ジュリーの気持ちを変えさせるために一計を案じるのでした。
ジュリーの親友二人が第2作,第3作のヒロインとなります。一人は未婚の母で町の保安官を務めるドルー・デイビス。ドルーの娘レキシーは自分がプリンセスだとなりきっている夢見がちが愛らしい少女。しかしどうも本当のプリンセスだと匂わせる記述があります。そして雑貨店とコーヒーショップを経営し,人の気持ちを見抜く才能に長けているアンナ。2人にもハッピーエンドが訪れるのではと楽しみなシリーズです。


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