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いたずらな宿命 [シャロン・ケンドリック]

SHALOCKMEMO136
いたずらな宿命 The Desert Prince's Mistress 2004」
シャロン・ケンドリック 上村 悦子





 ある日一通の手紙が国王の異母弟の存在を語っていた。さて,この手紙をどうしよう。こんな状況におかれたら自分は一体どうするだろう。こんなミステリアスな設定で始まる本書。そして,結末はどんなロマンスに発展するのだろうか。
 モデルや女優をしているララ・ブラックはマラバン王国の首長カリムと結婚した親友ローズの世話で,ロンドンのマラバン大使館で受付をしていた。そこで開いた一通の手紙はダリアン・ワイルドマンという携帯電話会社の経営者がカリムの父の隠し子であることを告げる内容だった。
 自らこの手紙の内容を確認しようとしたララは,ダリアンの主催するオーディションに参加し,ダリアンの心を射止めてしまう。「ララはくだらないコマーシャルで役をもらったり売れない芝居や映画で端役を演じたりすることに興味がなくなり,落ちるのを覚悟でオーディションを受けることにもうんざりした。ずいぶん頑張ってきたので,そろそろ何かを取り戻す時期だという気がした。」とエピローグで述べられるとおりにストーリーは展開する。
 「いたずらな宿命」とは,本書で何回も語られる皮肉な運命のこと。カリムがよく口にする「宿命」というコトバが元になっている。今後,ダリアンとマラバン国はどのように関わっていくのだろうか。手紙のことを言わずにダリアンに近づいたララをダリアンは許していくことができるのだろうか。そして,二人のロマンスは見事に成立するのだろうか。興味を持続しながら最後までストーリーは展開する。


タグ:ロマンス
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