SSブログ

公爵のためらい [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO309
 「公爵のためらい The Duke's Desire 2000」
マーガレット・ムーア Margaret Moore/margaretmoore.com 田中淑子


公爵のためらい


まさか、デイトン公爵と再び顔を合わせる日が来るなんて! 10年前、ヴェリティは彼と寝室をともにしたのだ。脳裏をよぎる場面を振りはらい、彼女はひとり娘の手を取った。この秘密だけはぜったいに知られたくない…。



マーガレット・ムーアのリージェンシーもの。Duke of Deighton ゲイリンは,Verity Escombe と,忘れられない一夜を過ごす。その後イタリアに住んでいたゲイリンが10年ぶりにイギリスに帰って来た。年の離れた最愛の夫を亡くしたばかりの未亡人ヴェリティは,友人のエロイーズのパーティでばったりとゲイリンに出会う。一人娘のジョスリンの実の父親はゲイリンだったのだ。ひたすら夫と娘に愛情を注ぎ,懸命に真実を隠し続けたヴェリティだったが,ゲイリンに会ったとたん10年の歳月はなくなってしまう。
いたづら好きだった少女時代を過ごしたヴェリティだったが,今では落ち着いた女性に成長し,未亡人でありながら,ゲイリンはその美しさに目を見張る。ヴェリティの10年間の生活とゲイリンの10年間の生活が少しずつ語られ,併せて二人の生い立ちや孤独だった幼い頃,富の豊かさではなく,両親や兄弟たちの関係が心の豊かさ,愛情の深さの大きな要素であることが繰り返し語られる。卑劣な義弟に脅迫されても一切脅しに屈しなかったヴェリティの毅然とした態度に,貴族以上に堂々とした,また愛する人にはとてもかわいらしい女性に変貌する両面を持ったヴェリティの人物造形に脱帽。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。