SSブログ

嫉妬と傷心 [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO312
嫉妬と傷心 The Youngest Dowager 2000」
フランセスカ・ショー Francesca Shaw 辻 早苗




マリッサは夫の葬儀をすませ、弔問客の応対をしていた。親子ほども年の離れた伯爵に嫁ぎ、2年あまりの冷えきった結婚生活…。ところが、突然現れた男を見て、マリッサは気を失った。なんと、夫に生き写しではないか!



リージェンシー・ブライド4。17歳で売られるように年の離れた夫の元に嫁いだマリッサ。父サー・ジョージは受け取ったそのお金を競馬の掛け金や飲み代に使い切り,さらに毎月夫からの仕送りを受けて生活していた。そのことを知ったときのマリッサはショックを受けたものの,父親には毅然とした態度で今後とも仕送りの金額を増やすつもりはないと言い切る。また,結婚していた2年間,厳格で,少しでも間違いをしようものなら寝室で鞭をふるわれる,なかなか子供が出来ないのを咎められるなど恐怖心を植え付けられ続けた。急死した夫のサディスティックな性格が異常なものだということを教えてくれる人はいなかった。
夫のお葬式に現れたいとこを見てマリッサは失神してしまう。せっかく自由になったと思っていたところに夫とそっくりないとこが現れ,夫が生き返ったのかと思ったからだった。ジャマイカから戻ってきたルシアンが第4代の伯爵位を嗣ぐことになる。顔かたちはそっくりでも性格は夫と全く違うルシアンにマリッサは惹かれるもののさんざん夫に苦しめられてきた彼女は結婚生活を送るつもりはない。そこに,ジャマイカから妹ニコールやルシアンの愛人ダイアンなどが次々にマリッサの前に現れ,ロンドンでのニコールの社交界デビューの手伝いをすることになる。ロンドン各所のブランド店や通りなどロンドン風景が描かれていて,意外とヒストリカルにはありそうでないパターンだと思われる。
亡き夫とマリッサの父親以外には悪い人が全く現れず,人物造形的には深まりがないが,マリッサの心情の変化,ニコールのビルドゥングスがしっかり描かれている。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

最後の子爵マラカイトの祈り ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。