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マラカイトの祈り [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO313
マラカイトの祈り Malachite 1998」
ルース・ランガン Ruth Ryan Langan 古沢絵里





“ダイアモンド、パール、ジェイド、ルビー。
宝石の名がついたジュエル4姉妹の前に、
突如現れたマラカイトと名のる男。父に酷似した彼は、
その瞳に憎しみを宿していた…。ジュエル・シリーズ完結編。”



ルース・ランガン「ジュエル・シリーズ」完結編と銘打たれている。このシリーズは未読のため,というより,この著者の作品は「コルトンズ」「富豪一族」などでは知っていたが,残念ながらどの作品も読了していなかったので,これが最初の読了本となったため,とんでもないところから読み始めたことになる。しかし,大団円としては,面白かった。
ヒストリカルというより西部劇。オニキス・ジュエルの娘四姉妹の兄が最後に登場したことになる。しかも全部異母兄妹。すさまじい愛の物語だが,当初父親を憎んで牧場にやってきたコマンチ族とのハーフ,マラカイトが,3人の子持ちの下宿経営者ミリー・ポッターとの間に家族の愛を発見するまでの物語。敵役の銀行家バイロンが如何に街全体を巻き込んで悪を行ったか。悪魔(ディアブロ)と呼ばれる野生馬(ムスタング)を調教してしまうマラカイトの男らしさ,美しく気だての良いミリーが偉ぶらず,良妻賢母でありながら情熱を持ってマラカイトに惹かれていくなど,あり得ないが,古き良きアメリカの理想の男女像が描かれている。


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