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いつまでもこの夜を [ルーシー・モンロー]

SHALOCKMEMO430
いつまでもこの夜を And Able 2006」
ルーシー・モンロー 小林さゆり





「ボディガード三部作の完結編」と帯ではうたっている。前作「やすらぎに包まれて」を読了したのは昨年の8月だから,もう1年近くたっており,登場人物を思い出すのが一苦労であった。
前作までの登場人物は出てくるものの,本作は全く独立したストーリーを持ち,さらに魅力的な登場人物とアメリカ南部ジョージア州での大家族主義が伏線となって登場する。

28歳の大学生クレア・シャープは,アルバイト先の高齢者福祉施設の介護を担当していた老人の死に直面し,さらに自らが借りているマンションが荒らされたりと,トラブルに巻き込まれる。以前から(2年ほど前か?)クレアに関心を持っていたセキュリティ会社経営者のブレットは,クレアの安全が脅かされていることを理由に,何かにつけてクレアを守ろうとする。しかも,クレアに惹かれていることを隠そうともしない。卒業試験間近なクレアは,なにかとブレットが世話を焼くのを口では断りながら,圧倒的な男性らしさを感じ,ブレットが世話を焼くのをつい赦してしまう。
クレアには経済的に破綻してから人生を投げ出してしまった両親に対する思いから,容易に人を信用しない頑固さがあり,ブレットには,婚約者に裏切られてから,他の女性には愛を感じてはいけないという思いこみがある。
本書409pの二人の会話。クレア:『わたしたちが結婚して,わたしが愛をどんどん育てていって,そのうちあなたがわたしに飽きてしまったら,あるいはあなたがほかに愛する人をみつけて,わたしと別れることにしたら,とてもつらい思いをすることになるから』,ブレット:『つまりきみは幸せになるチャンスをつかみたくないんだね,いつか僕に捨てられるのが怖くて?』の中に,互いに過去のこだわりから逃れられない二人の様子がひしひしと伝わってくる。本書には随所にこんなすれ違いが描かれていて,とても興味深い。

さらに,事件の真犯人は誰か,明かされないまま,最後に大どんでん返しが待ちかまえているので,乞うご期待。


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