SSブログ

薔薇と宝冠1 愛ゆえに [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO455
薔薇と宝冠1 愛ゆえに Rory 2002 (O'Neil Saga 2)」
ルース・ランガン Ruth Langan 吉田和代





16世紀,エリザベス1世時代のアイルランド。イギリス貴族とアイルランド人の両方の血を持つ貴族の娘アナクレアは,臨終近くに故郷に帰りたいと願う母をダブリンの家で見送ります。
一方,結婚式当日花嫁を迎えようとしていた矢先,アイルランド貴族のローリー・オニールは花嫁一家をイギリス軍人ティルデンの一派に惨殺されてしまいます。復讐の鬼と化したローリーはアイルランド人を抑圧するイギリス軍を次々に打ち破るゲリラとなり,「邪悪なオニール」と呼ばれ,その首には懸賞金もかけられるほどイギリス人に恐れられるようになりました。
そのローリーがダブリンの海岸でイギリス軍との戦いの途中,怪我をしてしまいます。それを助けたのはアナクレアの館の家政婦夫婦でした。二人は深手を負ったローリーをアナクレアの屋敷に連れてきますが,怪我の手当てと体力回復までの隠れ家を提供したのはアナクレアでした。こうして,二人の間にはいつしか愛が芽生えていきます。しかし,いわば敵同士の二人であり,「ロミオとジュリエット」をしのぐ,民族間の壁が二人の間には横たわっているわけです。武力でぶつかろうとするローリーに対して,話術と交渉術で相手を納得させようとする弟のコナー,やり方は異なってもアイルランドに対する愛情はオニール一族には連綿と受け継がれているようです。
ローリーをかくまっていることがイギリス側にばれてしまったことから,アナクレアはローリーと一緒に森の中をさまよい,ついにローリーの家にたどり着きます。敵方のアナクレアを,オニール一族は,立場よりもその人柄により,ローリーにふさわしい相手と受け入れます。しかし,賞金を懸けられていたローリーが,家に隠れていることが判明し,ローリーは宿敵であるティルデンとの戦いに自ら臨みますが,計略にかかり,捕まえられてしまいます。ローリーの後を追ったアナクレアとローリーの花嫁になる予定だったキャサリンの弟イネスは,ローリーがつかまり,イギリスにおくられるところの一部始終を発見します。
この後,アナクレアの父親のトンプソン卿,ローリーの弟コナー,そして少年イネスの3人が,フリーと監獄に収監されたローリーをどのように救い出していくか,当時の宮廷の様子やエリザベス1世の人柄,そして敵役ティルデンとの戦いなど,息をつかせぬストーリーテリングでランガンの面目躍如といったところが読み応えがあります。
最後にエリザベスがアナクレアに宣告した一言に,読者はアッと驚かされます。そして,離れ離れになった二人は果たしてハッピーエンドを迎えられるのか。驚愕の結末は是非本書をお読みください。
壮大なオニール・サーガの開幕です。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。