SSブログ

ふたりきりの花園で [トレイシー・アン・ウォレン]

SHALOCKMEMO663
ふたりきりの花園で Seduced By His Touch 2009」
トレイシー・アン・ウォレン 久野郁子





 トレイシー・アン・ウォレンの作品は二見文庫から7冊訳出されていますが,すべて,久野郁子さんの訳です。既読は「昼下がりの密会」のみですが,「ミストレス・トリロジー(原題ではTrap Tolirogy)」,そしてこの「ブラエボーンのバイロン一家」シリーズが訳出されています。バイロン一家シリーズの第1作はメグ・アンバーリーとバイロン家の次男ケイドのロマンスですが,ふたりは本書にも時折顔を出します。本作ではバイロン家の三男,ジャックが賭博で被った多額の借金の返済のため,実業家の娘グレース・デンバーズとの結婚を余儀なくされてしまうものの,やがてグレースの知的で才能あふれ,秘められた美しさに気づき,ジャックがグレースを愛し始めた矢先,グレースが,実は借金の肩にプロポーズされたことを知る,という設定で,ふたりの間の関係に読者がやきもきするように物語が展開していきます。
 イギリス摂政時代の上流階級の女性は自活の道はあまりないのですが,グレースには花や動物を本物そっくりに描くという才能があり,それをまとめた画集が売れるという設定になっています。百科辞典だけではなく,写真がまだ一般的ではなかった(まだ発明されていなかった?)時代には写実的な絵画は貴重なものだったことは,荒俣宏氏などにより日本でも紹介されていますが,まさに芸術的な写実の絵は繊細な女性によって描かれたものが当時はたくさんあったのかもしれません。しかし,女性の名前で紹介されるものは少なく,女性も仮の男性の名前で出版していたのでしょうね。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。