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残酷な祝福 [アニー・ウエスト]

SHALOCKMEMO1108
残酷な祝福 The Sheikh's Pricess Bride
( Desert Vows 2 ) 2015」
アニー・ウエスト 山本礼緒





前作「スルタンと愛妾のハーレム(SHALOCKMEMO1072)」にも登場したジャジールの王女サミラがヒロインです。幼いころに出会い,ティーンエイジャーのころ密かに想いを寄せていた隣国のシーク,タリク。兄アシムの親友でもあり,彼の双子の母親は出産の際に亡くなってしまって今はやもめ暮らしです。ある時サミラはタリクと出会い,かつて憧れていた兄の友人とは違い大人の雰囲気と国王としての自信にあふれたタリクに再びときめきを覚えます。あの時からすでに12年の歳月が流れ,すでにサミラは29歳。サミラ自身も手痛い失恋を味わい,流産してもう子供が出来ない身体になっていました。そしてサミラは一大決心をします。タリクのスイートを訪れ「私と結婚して」と頼むのでした。いわゆる便宜的結婚。王女として宮廷の仕事には慣れていることや互いに知り合いであること,隣国同士の結びつきを更に強めるためにも意義ある結婚であると二人の結婚の意義を強調します。突然の申し出にすぐには返事が出来ずにいるタリクは考える時間が欲しいと・・・。翌日結婚を承諾したタリクです。実は便宜的結婚よりも美しく成長したサミラに心が動いたからでした。それは愛ではないが,二人の相性はいいはずだ,という言葉にサミラは傷つきますが,それでもいつしか愛されるかもしれないという密かな期待を込めて結婚するのでした。
タリクの子どもたちもサミラにすぐに懐き,表面的には幸せそうに見える夫婦。しかもファッションデザイナーとしての才能を生かして,被災を受けた地域の婦人たちの仕事を見つけるなど,王妃としての立場も固めていくサミラにタリクは便宜的結婚以上の気持ちを持つようになるのですが,それを愛だとは全く気付いていないのでした。サミラはすでにタリクに対する愛を確信していますが自分が愛されていないことを物足りなく思っていることを,タリクに気付かれまいと必死です。やがて子供が出来ないと思っていたサミラが妊娠したことが分かります。まさに奇跡が起きたのですが,その時からタリクのサミラに対する態度がすっかり変わってしまいます。実はタリクの前妻が出産の時になくなったため,サミラもそんな風に失うのではないかというおそれがタリクを襲っていたからでした。腫れ物に触るように自分を扱うタリクにサミラは不満を募らせ,しかも何故そんな風に変わってしまったかを理解できずにいるのでした。どうしたらいいかを義姉のジャクリーンに相談するサミラ。そして勇気を持ってサミラはタリクに打ち明け話をするのでした。しかし,タリクはそれでも心を開いてくれません。さて二人の愛の行方は?
前作ではお騒がせ娘だったサミラが実はとても美しく才能にあふれた女性として描かれ,まさにNiceHeroineの典型といってもいいでしょう。美貌も財力も社会的地位も普通の女性が手に入れられないものをいくつも持っているサミラですら悩みを抱えているのだということが読者の満足度を高めていくのかと思います。


タグ:ロマンス
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