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いたずらな愛の使者 [ルーシー・ゴードン]

SHALOCKMEMO1417
いたずらな愛の使者 Expecting the Fellani Heir 2016」
ルーシー・ゴードン 大田朋子





 原題は「予期せぬフェラーニの跡継ぎ」
 ヒロイン:エリー(38歳)/弁護士/豊かな長い髪,スレンダーな体/
 ヒーロー:レオニツィオ・フェラーニ(34歳)/高級靴会社経営,離婚訴訟中/黒髪,黒い瞳,長身,アスリートのような体つき,男らしく優雅な身のこなし,ハンサムな顔/
 イタリアの高級靴製造業者で富豪のレオニツィオはハリエットに裏切られ,他人の子供を押しつけられそうになります。そのことが判明して離婚訴訟係争中。担当の弁護士エリーは一夜の交わりをレオニツィオと交わしてしまい,身ごもりますが,それを告げないままでいます。離婚が成立してからも,エリーはしょせんレオニツィオには相手にされないことが分かっていて,妊娠が分かられてしまってからもプロポーズを断り続けるのでした。すべてを取り仕切ろうとするレオニツィオと結婚すれば,自分のこれまで築いてきたキャリアも失い,自立できなくなってしまう。そして子供のための,愛のない結婚にはとても耐えられないだろうと思っていたからです。偶然レストランでレオニツィオといたときに,ハリエットとその恋人に遭遇してしまいます。翌日弁護士事務所をハリエットが訪ねてきてエリーに対してけんか腰の言葉を投げつけます。「彼が何を大切にするか知っているでしょう。ビジネス,野望,権力,自分自身。そして自分の意のままになる連中よ。あなたもじきにわかるわ。彼はあなたの心を打ち砕く。私の心を打ち砕いたようにね。彼が傷ついたのは子供のことで,私が原因じゃないわ。本当にお気の毒。外見はテキパキとして有能そうなのに。あなたが感情に流されるなんて,誰が思うかしら。でも本当のことよ。認めたくないでしょうけれど,あなたは今にきっと公開するわ。」と。この短い,切れ切れの文をつないでいくのがこの作家の文体の特徴なのだろうと思います。それが自然にリズムを作り出し,読みやすくする効果をもたらしているのかもしれません。そして,エリーはお腹に異常を感じ9カ月で愛らしい一粒種の娘を無事生み出します。レオニツィオはずっとエリーに付添い,無事の出産に多大な貢献をします。そしてコジマというイタリア語で秩序と美を意味する名前をつけてくれるのでした。「私たちは運命共同体よ。三人一緒なの」とエリーはレオニツィオと娘の誕生を喜ぶのでした。院内で二人は結婚するのでした。レオニツィオの愛を信じられるようになるまでに,また愛の言葉を聞くまで,頑固にプロポーズにイエスを言わないで自分の心を信じ続けるエリーは本当に大した女性です。4歳年上の姉さん女房(古っ!),そしてエリーという名前しか示されていないヒロインですが,存在感は見事なまでです。傍若無人と思われているレオニツィオがメロメロになってしまうのも,この知的で頑固で美しいエリーだからこそだと,美しいだけのハリエットと比べている作者の思惑がまさにツボにはまっている作品です。


タグ:イマージュ
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