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氷の愛人 [マヤ・ブレイク]

SHALOCKMEMO1437
氷の愛人 Signed Over to Santino 2016」
マヤ・ブレイク 春野ひろこ





 原題は「サンティーノにサインされて」
 ヒロイン:カーラ・ナルドッチ(24歳)/フィギュアスケート選手/チョコレート色の髪,アーモンド形の緑の瞳,明るい黄金色のすらりとした脚/
 ヒーロー:ハビエル・サンティーノ(33歳)/会社経営者/金色が勝った褐色の瞳,深くてあたたかい声,熱い胸と広い肩/
 世界大会にも出場するフィギュアスケート選手がヒロインです。怪我で休業中ですが,マネージャーを務める父がいい加減で,自分を食い物にしており,投資の失敗から家計は火の車。もう次の試合場所へ移動する旅費にも事欠く有様です。しかしそんなことを世間に公表するわけには生きません。一方の高級ブランド会社のサンティーノ社の経営者ハビエルは,かつてカーラと付き合い,しかも裏切られたという経験を今も根に持っているプライドの高い男です。「カーラが純潔を捧げた相手。最高にセクシーで決して忘れられない一夜を共にした男性」だったハビエルに借金を申し込むという屈辱の依頼をせざるを得なくなったカーラに対して,復讐を果たすために会社のCM契約という餌でカーラと愛人契約を結ぼうと画策します。しかしそんな提言をしたハビエルは言った瞬間から後悔してしまいます。あれから3年も経っているのに,未だにハビエルはカーラを忘れ切れてはいなかったのです。それは唯一自分の元を立ち去った女性だったことも一員でした。スケートの技術だけではなく,カーラは一人の女性としても美貌,知性,そして深い愛情と性格の良さすべてに100パーセント以上の能力を持った女性です。そんな女性がいい加減な父親の言いなりになっていること自体がハビエルには信じられません。次第にその理由が分かり始めてきます。すべてを持ち合わせたカーラは両親から愛されていないという孤独な気持ちが心の奥に芯のように巣くっていたのです。ありがちな絶対的頂点を極めたものの孤独感。そんなアスリートとしての悩みをカーラもまた持っていたことを,ハビエルが気づいたとき,カーラを守りたいという気持ちを強く持つのでした。しかし自分の元から立ち去った唯一の女性という経験から,ふたたびカーラが自分を捨てていくのではという不安から,何くれとなくカーラに意地悪な要求をしていくハビエルなのでした。好きな子にわざと意地悪をしたくなるという,いつまで経っても子供のような気持ちを抱いているのが男という存在なのかも知れません。そんな男性心理を作者はうまくストーリーの中に取り入れているように思います。
 「カーラの顔をのぞき込みながら,なぜこんなにも惹かれるのか冷静に考えてみた。決して好みのタイプというわけではない。彼の好みはもっと肉付きが良い陽気な女性だ。なのに彼女を初めて目にした瞬間から,この夜のものとは思えない美しさに,ところどころ淡褐色がまじったチョコレート色の髪に,鮮やかな緑の瞳に,そして彼の手に触れてくれと懇願するような華奢な体にとらわれてしまった。」ハビエル。一方「初めて会ったときから,カーラはハビエルに魅了されてしまった。」と相思相愛だった二人がすれ違ったまま3年を経過し,今カーラの怪我によってやっと二人の時間が再び交差していくことになったのです。こんなふうに再会ものは,このあと二人がどんな関係を気づいていくのだろうかという興味と,周囲の状況と折り合いを付けたり乗り越えたりしながら二人の愛を築いていくのかという興味で,一気読みしてしまいがちなストーリー展開が楽しみになっていきます。そして3年前の二人の因縁の場所マイアミのハビエルの別荘に再び戻った二人。そこで二人は3年前の互いの気持ちを打ち明け合うのですが・・・。
 MB版も邦訳版もカーラのモデルはちょっと大人びた大柄な女性ですが,フィギュアの女子選手というのはどちらかというと小柄で愛らしい感じというイメージしかもっていませんでしたので,初め表紙を見たときはちょっと違和感を持ちました。しかし,アメリカのグレイシーやイタリアのコストナーのような大きな選手もいますので,これは単なる思い込みだったかと思い直しました。それよりやはりアスリートらしい鍛え上げられた身体と勝負に対する貪欲なまでの闘争心という部分が選手生命を高めていくことになるのでしょうね。でも24歳というのはフィギュアの選手としてはかなりの高齢と言うべきでしょうか・・・。


タグ:ロマンス
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