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偽りの義妹 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1331
偽りの義妹 To Start Again 1981」
フィリス・ホールドーソン 後藤美香





 原題は「」
 ヒロイン:マーサ・アン・グリーンフィールド(20歳)/両親を亡くし大伯母に育てられている娘/小柄,ブロンドの髪/
 ヒーロー:マシュー(マット)・ホーソン(歳)/鉱山会社の社長//
 アイオワ州の大伯母の家と無理やり婚約させられた相手から逃げるために,カリフォルニアに向かったアンは,車が故障し,通りかかった若い夫婦の車に同乗してデンバーに向かう途中,対向車と正面衝突し,若夫婦は二人とも死亡。車中で奥さんの鞄と結婚指輪を預かってしまったことから奥さんと間違われてしまったアン。せっかく逃げだした大伯母の元へ連れ戻されるのが嫌でとっさについた嘘。病院で奥さんの名前アンジェラと呼ばれたとき,アンと名告ったのに,アンジェラの短縮形だと看護師勘違いされてしまったアンは,アンジェラを迎えに来た夫の兄マットに対して,誤解のままにしてしまいます。初めは後で本当のことを告げようとしていたアンですが,マットはまだアンジェラに会ったことがなかったため,アンをすっかり義妹だと勘違いしてしまいます。マットの知るアンジェラはとんでもない女性でした。派手好きで弟のローリーを騙してお金目当てで妊娠した女性。それがアンジェラの実体だったのです。アンをすっかりアンジェラだと思い込んだマットは,アンにかなりひどい言い方で非難を繰り返します。ところが,ホーソン家についたアンはマットの父親ジェームズ(ジム)の世話をすることで,父親に対する以上の愛情を抱くようになります。マットの母コンスタンスは社交的な行事に全力を注ぎ夫の世話をちっともしない冷たい女性でアンを息子の自己の責任はアンジェラにあるとまるで敵のように扱います。ジムに頼られ,アン自身もジムを慕い,ジムの側用人ウルフガング(ウルフ)と協力してジムの世話をすることに歓びを感じていくのでした。マットは折に触れてアンを非難するのですが,そこにマットの会社の同僚ポリーが現れます。まるでマットの妻のように振る舞い,マットの母もポリーを嫁のように優遇するのでした。次第に家族の一員のような錯覚してしまうアンは,どんなに冷たくされてもマットに対して恋するようになります。マットの仕事の関係で長期間オーストラリアへの出張することになった前日,マットは食事と観劇にアンを誘います。しかし食事中ポリーが現れ,マットがアンへの義務を果たすために連れてきたのねという言葉を放つのでした。これがアンの心の琴線に触れ,すっかり腹を立てて一人タクシーで帰ってしまいます。そしてそのままマットはオーストラリアに旅立ってしまうのでした。
 その後ジムが風邪にかかって高熱が出ます。しかしウルフは留守,しかもコンスタンスも留守,事務を病院に連れて行こうとしてもジムは頑なに病院を拒みます。どうしようもなくなって出張中のマットに連絡を取り,その指示で往診の連絡を取ることに。幸い治療のかいあってジムの病状は回復するのですが,戻ってきたマットとの間には気まずい思いが飛び交います。マットはなんとかしてあの晩のことをアンに説明しようとしますがアンはいっこうに聞き入れません。そんな時,ポリーが突然ホーソン邸を訪れ,爆弾発言をするのでした。つまりアンの正体を・・・。さあ,アンはそのことにどう対応するのでしょうか。そして正体を知ったマットは・・・。(続く)

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タグ:イマージュ
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年上の人 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1330
年上の人 The Professor and the Nanny 2000」
フィリス・ホールドーソン 庭植奈穂子





 原題は「教授とナニー」
 ヒロイン:ブリタニー・ボールドウィン(21歳)/看護師アシスタント/165センチ,体重58キロ/
 ヒーロー:イーサン・ソープ(35歳)/ケンタッキー大学文学部教授/中背,茶色の髪,茶色の目,銀縁の眼鏡/
 作者の最新和訳「偽りの義妹」の関連で本作を読み始めました。平行して読んでいるうちに本作の方が面白くなり,先に読了してしまいました。原作は「偽りの・・・」よりも後に書かれた作品です。
 72歳で糖尿病と記憶障害(痴呆)を患っているヒーローの父親ネイト・ソープの在宅看護をすることになったブリタニーは看護大学1年の時に両親を事故で亡くし,経済的に働く必要が出てきたため学費を稼ぐためにこの仕事を始めたばかりで,これが最初の訪問先でした。もし雇ってもらえなければ,また次の仕事が見つかるまで時間がかかるかもしれません。そこで面接で年齢が若すぎると懸念を示されたのに対して,自信をもって大丈夫だと相手を説得します。一目でネイトはブリタニーを気に入り,二人の間には親子以上に親しい友情が芽生えます。さて,その息子イーサンときたら,こちこちの大学教授。2年前に離婚し,1歳半の息子は離婚した母親と暮らしているはずでした。ところがキャリア志向のイーサンの元妻ハンナが突然やって来て息子のダニーの親権をイーサンに譲るからと言い置いてさっさと子供を置いて出て行ってしまうのでした。昔から子供に対する愛情よりも自身のキャリアを大切にする元妻。イーサンとの間に言い争い以外の入る余地のない関係になっていたのでした。病気の父と1歳半の息子の両方の面倒をイーサンが見れるだろうか。本人は大丈夫だと言うけれど・・・ブリタニーは行きがかり上,できる範囲でダニーのナニーも兼任することになります。それにはイーサンも感謝の気持ちをもつのですが,若くて生き生きし,しかも思いやりにあふれ,患者のことでは一切譲らない芯の強さをみて,自分がブリタニーに惹かれていくのを戸惑いながら,ブリタニーの美しさに気付き,さらに困惑します。14歳の年の差。これが最も大きなイーサンの戸惑いの原因でした。一方ブリタニーはイーサンの負担の大きさに同情すると同時に,家族同然に自分を扱ってくれるネイトに父親と同じような気持ちをもちます。そしてイーサンには雇い主以上の熱い気持ちを止めることができなくなるのでした。なんとかプロ意識に徹しようと決心するものの,イーサンが困っている様子を見ていられず,ダニーに対しても深い愛情を持ち始めます。このように複雑な状況に陥ってしまった二人。イーサンはこれ以上二人の関係が変化していってはいけないと一度はブリタニーに解雇通告を出します。行き先が決まったらでていくようにと・・・。ところがネイトが行方不明になる事件が起き,この話はしばらく棚上げになってしまいます。もはやイーサンを愛してしまったブリタニーは正直にこの気持ちを告白するのですが,イーサンは頑なに君の願いを叶えることはできないと年の差を理由に一歩を踏み出そうとしません。二人の愛の行方は・・・
 全くお騒がせなイーサンの元妻の行動が退屈になりがちの本作に躍動的なストーリーを描き出します。さらにイーサンの父親ネイトのお茶目な行動がとても愛らしく,ブリタニーとの心の交流が本作に優しさと思いやりの雰囲気をもたらし,癒やしの作品に仕上がっています。ブリタニー頑張れと応援したくなるオススメの一作です。


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花嫁の告白 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1311
花嫁の告白 Father in the Middle
( Fabulous Fathers 13 ) 1994」
フィリス・ホールドーソン 小原まみ




K-402
16.05/¥670/156p

L-693
96.02/¥610/156p


 原題は「父親真っ最中」
 ヒロイン:タマラ・ヒューストン(24歳)/小学校教師/身長150センチ,ブラウンの瞳/
 ヒーロー:クレイトン(クレイ)・ラトレッジ(30代後半)/口腔外科医/金色が買った茶色の瞳,黒髪/
 17歳で市長の息子の子を妊娠してしまったタマラ。出産後両親から見放されて娘を養子に出されてしまい,その後大学で学び,今は小学校教師を職業としているタマラ。24歳になり,その後出産した子供がどうしているかが気に掛かり,探偵事務所に所在の確認を依頼します。「今になって急に生みの親が現れ,子供を返せなどと言われたら,ほんと許せませんよ」という探偵の言葉に必死の思いを伝えるタマラの「取り返そうなんて気はありません。人目だけ娘を見ることが出来,大切に育てられているかが分かれば,それでいいんです。」という切ない言葉が探偵の胸を打ち,ひたすら連絡を待ち続けます。自分自身が遅く両親から生まれ(母41歳,父46歳の時),銀行頭取の父,教会秘書の母からすれば,未婚の母になることなど当時世間体が悪いとしか思えなかったのです。結局高校2年を未婚者用の施設で送り,高校3年の時に復学し,大学に入学したのでした。両親とはその時以来会っておらず,時々連絡を取る程度。完全に自立して生活を送ってきました。しかし自分の産んだ娘の現在がどうしても気に掛かり,8日目にあった連絡を元に,娘の両親の住む家を密かに探し当てたのでした。アイオワ州エームズからサンアントニア市に住む口腔外科医クレイトン・ラトレッジ,建築家アリシア・ラトレッジ夫妻というのが娘を引き取った養父母でした。娘の私立学校に見学と称して訪問して顔を合わせたり,飛び込みで養父クレイトンの病院に治療に行ったりといろいろ挑戦しているうちに養母が1年前に亡くなり,娘メアリー・フランセス(フランシー)の住み込みナニー兼家政婦を短期で捜していることを突き止めます。思わずタマラはこの募集に挑戦してみる気になってしまいます。実際に会ってみて,探偵に言った「見るだけでいい」という約束を破ることになってしまいますが,もう自分の気持ちを抑えることは出来ませんでした。そして亡き妻を愛しており他の女性を愛する気はないというクレイの言葉に傷つきながらも,タマラは一目会ったときからクレイを愛するようになってしまうのでした。クレイもまた一緒に住み始めたタマラに対してかつての妻とは違った意味で惹かれてしまいます。その純真に子供に接し方や小柄ながら女性らしい体型,そして率直に話しをする態度に好ましさ以上の気持ちを抱きつつも,その気持ちが妻を裏切ることになりはしまいかという罪悪感を抱き,何度かタマラに解雇通告しようとするのですが,その都度うまくいかない事情が出てしまいます。そしてクレイは両親の家にタマラを連れて行き,家族に紹介すると,兄から独身の若い女性との同居に懸念を告げられ,反論してしまいます。やがて,タマラとの間に心の交流が避けがたいものになり,プロポーズするのでした。短期間の交際期間,そしてフランシーがタマラに絶対の信頼を寄せていることから,幸せな3人での生活が始まります。この生活を根本的に破壊する一本の電話があるとも知らずに・・・。それはクレイの弁護士からでした。フランシーの実母が探偵を雇って娘の居所を探し出し,タマラが出産した施設の非常勤職員が金を受け取って情報を漏らしたというものでした。実母の名前がタマラ・ヒューストンだと聞いたとき,クレイの中に裏切られたという強い怒りの気持ちが抑えられなくなります。帰宅した夫の突然の感情的な言葉に驚いたタマラは,ついに秘密を知られてしまったことに愕然とします。その後家を飛びだして帰宅しなかったクレイに,気持ちを傷つけてしまった後悔の念と,このまま家を出てしまえば,再び母を失うというフランシーのこころの傷になってしまうことを恐れ,タマラは夫との二人の関係をなんとか修復しようと決意するのですが・・・。タマラはクレイの気持ちをほぐし,幸せな結婚生活を続けていけるのでしょうか。
 なんともやりきれない切なさを残しながら,果敢に愛を貫いていくタマラの姿に読者は感動を覚えます。イチオシの作品です。


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