まやかしのプロポーズ [コンテンポラリー]
SHALOCKMEMO423
「まやかしのプロポーズ Merger of Fortunes 2007」(富豪一族の絆 1)
ペギー・モアランド Peggy Moreland peggymoreland.com 高橋美友紀
富豪一族のミニシリーズ「富豪一族の絆 Dacota Fortunes」の第1巻。
1 Merger of Fortunes (2007) by Peggy Moreland
2 Back In Fortune's Bed (2007) by Bronwyn Jameson
3 Fortune's Vengeful Groom (2007) by Charlene Sands
4 Mistress Of Fortune (2007) by Kathie DeNosky
5 Expecting a Fortune (2007) by Jan Colley
6 Fortune's Forbidden Woman (2007) by Heidi Betts
の6巻からなる。2007年に原作が6人の作家によって書かれている。
第1巻の作者,ペギー・モアランドは富豪一族のいわば常連。
ダコタ・フォーチュン家の当主ナッシュは2度離婚し,現在パトリシアという妻がいるが,初めの妻との間の子供,ケイス,クリード,エリザ,2番目の妻トリーナとの間に,ブレイク,スカイラー,妻パトリシアの娘のマヤ・ブラックストーンなどが本作のパーティで登場する。一家の本拠地はサウスダコタ州スーフォールズ。
本作のヒロイン,ジーナ・レノルズの父カーティスの経営する会社レノルズ精製社の買収・合併を画策するケイスは,合併を断られた後,最後の手段として娘のジーナを訪ねる。
仕事一辺倒の父から愛されていないと思っているジーナは父親の会社経営には全く興味を持たず,蛙を主人公とした童話・絵本作家として図書館賞を得るなど,経済的には自立している。しかし,隣人のゾーイ以外には親しい友人もいない。近づいてきたケイスに心惹かれるジーナだが,古い倫理観の持ち主であるジーナは大金持ちで自信過剰なケイスに対しては容易に心を開かない。
初めは,策略的にジーナに近づいたケイスだが,やがて本物の愛に気づいていく。そんな時,ジーナの父カーティスが癌で息を引き取り,遺産の分与の件で弁護士に会いに行ったジーナが見たものは,生前,会社合併の書類に書かれたケイスのサインだった。
親子の愛,恋人との愛,家族の愛などさまざまな愛を描くシリーズの第1巻としては,ジーナとケイスの愛を描きながらこれから登場のヒーロー,ヒロインたちが顔を出し,異母兄弟間の確執が顔を出すなど,波乱を予感させる佳作。
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