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いつもふたりきりで [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO481
いつもふたりきりで Love is Blind 2006」
リンゼイ・サンズ Lynsay Sands lynsaysands.net 上條ひろみ





「美人なのにド近眼の眼鏡っ子」と「戦争で顔に深い傷跡を残した伯爵」のふたりが,互いの劣等感で互いに自信が持てずに,互いに誤解しあい,それでも,周囲の人々の励ましで互いの愛に気付いていく,という心温まる物語。
少々,ミステリっぽく新妻クラリッサが思わぬ事故に何度も逢ううちに,新郎エイドリアンが出してもいない手紙を妻が受け取って噴水に顔を突っ込んで死にそうになるところから,単なる事故ではなく命を狙われているのではと気付き,探偵を雇ったり,親友や家族を疑ったりするというサイドストーリーがあるものの,互いの愛にのめり込んでいく描写が全編を通して描かれ,ちょっと具体的すぎるのでは?と思わせる部分も多いのですが,表紙に描かれているように,「無邪気でかわいい」ヒロインと,顔に傷があっても颯爽として男らしいヒーローの人間的魅力と,ヒストリカル,特にリージェンシーにはかかせない,抜け目のない執事の登場も相まって,さわやかな読後感を得られる秀作に仕上がっています。1月に発売された本書ですが,お勧めの一作です。


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