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ラブレスキューは迅速に [ダイアン・カステル]

SHALOCKMEMO550
ラブレスキューは迅速に I'll Be Seeing U 2006」
ダイアン・カステル 板垣節子





「オファロン家の甘美の憂鬱」シリーズの最終巻。
今回のヒーローはオファロン家の養子で長子のクエイド。幼少期の荒れた生活からローリー・オファロンによって自分の目標を見出し,沿岸警備隊員としてアラスカで救助活動にあたっていたが,ローリーの愛するミミの行方を捜すために沿岸警備隊の職を辞しオファロンズ・ランディングに帰郷してきます。
時を同じくして事業の失敗と夫との離婚を機にNYから息子とともに帰郷したシンシア・ランドンがヒロインです。
このシリーズでは,ヒーロー,ヒロインのほかにも複数のカップルのロマンスが同時に描かれていますが,中でも本作では,サリーとディマーの歯がゆいばかりのドタバタ・ロマンスがサブストーリーとして,そして三部作をとおしてローリーの赤ん坊のボニーの母ミミの行方という最大の謎解きが縦糸になってストーリーが展開しています。いずれの登場人物も実に生き生きと,そして互いに軽口や,南部独特の行動を見せながら,ドタバタ喜劇を演じていきますが,本作ではヒロイン,シンシアがクエイドを深く愛しながらもクエイドの保護者ぶった考えや態度に真っ向から立ち向かっていく姿に,南部女性の意志の強さとたくましさ,そしてグラント将軍の亡霊を信じたり利用したりする素朴な信仰心,人の良さをとても強く感じさせてくれます。まさに,滅入った人ならば本書を読めば元気になるという見本のようなシリーズ最終巻です。


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