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魅惑の独身貴族 1 古城に集う愛 [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO676
古城に集う愛 To Marry McKenzie
( To Marry Bachelor Cousins 1 ) 2002」
キャロル・モーティマー 水間 朋




HQB-800
17.05/¥670/208p

P-324
08.06/¥683/156p
I-1615
03.07/¥672/156p


 魅惑の独身貴族(To Marry Bachelor Cousins)シリーズの第1巻。
 ヒーローのローガン・マッケンジーとヒロインのダーシー・サイモンはダーシーの父の店「シェフ・サイモン」で出会います。ローガンにはそれぞれ母親の違うふたりの同年代の従兄がいますが,この3人が本シリーズのヒーローを務めます。本作ではローガンの従兄ファーガス・マクラウドは結構重要な場面で顔を出しますが,もう一人の従兄のブライス・マカリスターは後半に顔を出します。「マッケンジー」「マクラウド」「マカリスター」と韻を踏むような3人の姓は,いかにもいかにもできすぎですね。もちろん「マック」という接頭語に裏打ちされた意味もいかにもスコットランド風で意味深ではありますが。さて,ローガンの母親は,美貌の女優で,ローガンが幼い頃夫と離婚しており,そのときの心を傷をローガンは35歳の今も引きずっており,その母親がシェフ・サイモンと結婚しようとしていることを聞き,母親を許せない気持ちで二人の結婚には大反対です。サイモンの娘ダーシーも,父親の再婚には賛成しかねていますが,ローガンに魅力を感じつつ,義理の兄妹になることにも,非情に苦しい思いをします。
 さて,二人の関係は,さらにはローガンの母親とダーシーの父親の関係はどうなるのか。ローガンの住まいの古城を舞台にしたちょっと悲しさのつきまとう4人の男女の行方が本書の魅力です。
 ハーレクイン文庫による再版で再読に伴いこのメモも修正しました。(2017年4月30日読了)HQ文庫版の表紙のダーシーのイメージはいかにも可憐な少女風な赤毛の美少女です。小柄で華奢な体つき,肩までの長さの赤毛に鼻と頬の当たりに僅かにそばかすがあるグレーの目,濃く長いまつげに豊かな唇,そして両頬にえくぼというのがヒーローのローガンがダーシーを見たときの印象です。初めに出会ったとき,もうローガンはちょっと微笑んだダーシーの笑顔に恋をし始めていたようです。そして父と女優で有名なマーガレット・フレイザー(この時はまだローガンの母だとは知らないでいたのですが)とが婚約したという知らせに動揺してすぐにメソメソしてしまったダーシーをローガンも見かねて慰めてしまう,その優しさにダーシーもローガンを意識し始めるのですが,何せダーシーの父とローガンの母が結婚すれば二人は義兄と義妹になってしまう。勿論全く血のつながりは無いので問題はないのですが,二人の間に横たわるあれやこれやの問題の一つとなっていくのです。さて本作で圧倒的な存在感をもって後半登場するのがローガンたち従兄弟の祖父ヒュー・マクドナルドです。この祖父にも従兄弟たちにもローガンがダーシーに想いを寄せているのをすっかり見抜かれてしまうのです。もしダーシーが反対するなら二人の婚約は解消しようとローガンの母は一度はその話を持ち出すのですが,実際にマーガレット・フレイザーに会ってみてすっかりその人柄と父親と愛し合っていることを確認したダーシーは二人を祝福するようになるのでした。そんな流れにイマイチ乗り切れていかないのがローガンだけだったようです。ダーシー以外には自分が一生を共にする女性はいないといつローガンが気付き,そしてその気持ちをダーシーが受け入れるのか,希代のストーリーテラーである作者の術中にまさに気持ちよく嵌まっていける名作です。


タグ:イマージュ
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