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家政婦でも愛人でもなく [アニー・ウエスト]

SHALOCKMEMO763
家政婦でも愛人でもなく An Enticing Debt to Pay 2013」
アニー・ウエスト 小池 桂





アニー・ウエストというとシークものという先入観がありましたが,近年の作品はそうでもなくなってきているように思います。本作はヒーローのジョナス・デヴリンが,かつて屋敷の家政婦だったヒロインの母シルヴィアと父が逃避行をし,それを苦に病んだ母が自殺してしまうという過去を背負い,自分の預金口座から偽造小切手で引き出された大金を取り戻そうとヒロインのラヴェンナのもとを訪れ,詰問するというところから始まります。長い間見放されていた屋敷を再建することで復讐を果たそうとするジョナス。しかし,ラヴェンナが小切手偽造をしたのではなく,やむを得ない事情でシルヴィアがしたことなのですが,その事情が自分の病気にも原因があることに気づいたラヴェンナがその事を隠し,母をかばうため,ジョナスの提案を呑むことにします。まだ体調が万全ではないラヴェンナですが,荒れ果てた屋敷,かつては自分も母とともに住んでいた屋敷を再建するために身を粉にして働きます。疲労の余りちょっと休んでいたところに運悪くジョナスが訪れ,仕事をさぼっていると誤解を受けたり,庭の再建にやってくるガーデナーのアダムと相談しているところを見たジョナスが,ラヴェンナが男を誘惑していると誤解したりと二人の関係はますます悪化していくのですが,互いに惹かれ合う気持ちはますます強くなります。やがて,屋敷の改修の完成祝いにパーティーを開くというジョナスの計画に,その時こそ自分が立ち去る時だと心を痛めるラヴェンナ。パーティではヘレンという育ちの良さそうな美女がジョナスに寄り添っていることや,屋敷改修後は愛する妻や子供とともに幸せになりたいという夢を聞き,自分には病気により子供ができないことを隠しているラヴェンナはパーティの翌日,逃れるように母の住むイタリアに出奔します。ラヴェンナのいなくなった屋敷で,初めて自分がラヴェンナを愛していることに気づいたジョナスですが・・・。
かつて,学校でも家政婦で愛人の娘といじめられた経験を持つラヴェンナ。自分の立場がジョナスとはかけ離れていることと,ジョナスに惹かれ,愛していることを知っているラヴェンナの心の葛藤が見事に描かれた秀作です。エピローグではすてきなハッピーエンドが用意されています。


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