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鳥籠の妻(華麗なるシチリア 5) [シャロン・ケンドリック]

SHALOCKMEMO766
鳥籠の妻 (華麗なるシチリア 5
A Whisper of Disgrace 2013」
シャロン・ケンドリック 松尾当子





華麗なるシチリア・シリーズの第5巻。このシリーズは,まだ第1巻から読んでいないのであわてて第1巻を購入し,これから読む予定です。
シチリアのコレッティ家のシリーズで,本作はコレッティ家の娘ローザ・コレッティが,自分の出生の秘密を知って驚愕し,家を飛び出して南フランスで自暴自棄な生活を始めたところから始まります。大人向けクラブで踊っていたところで出会ったのが,ザーラスタン国のシーク,クラル・アル・ディマシュキ。王国の弟プリンスで,美貌と長身に恵まれた体躯,そして富裕さを生かし,社交界で浮き名を流すだけの生活を送っていたのですが,ローザに出会い,一目でその魅力にとりつかれてしまいます。女性を必ず落とせる自信家のクラル。しかし,クラルもまた,幼少の頃,自分の母親の死に責任があるという負の部分を抱えています。互いの傷を明かし合った二人がホテルの部屋に入るところをパパラッチが撮影してしまいます。この時はただ話をするだけの関係だったにもかかわらず,兄国王に呼ばれたクラルは,このスキャンダルを逃れるため,ローザに偽装結婚を持ちかけるのでした。
シチリアの有名な一族の娘だと言うことを知られているローザについて,クラルは初めは知りませんでした。そして,ローザもまたザーラスタンという国の存在すら知らなかったのです。自らの出自については互いに知らないもの同士,しかも家族から独立しようとしていた矢先のローザにとっては,この偽装結婚はメリットのあるものとしてクラルの話に乗っていくのです。しかし,クラルに惹かれているローザ。普段付き合うモデル体型の美女とは異なった魅力を持つローザに対して興味を持ったクラル。互いのメリットから結婚に至った二人ですが,すでに二人の間には強い結びつきが生まれていたのでした。
結婚生活も相性のぴったり合う二人は,互いに惹かれ合う気持ちを強めていきます。しかし,あるパーティで出会ったテレビ番組のプロデューサーからローザが出演のオファーを受けたことをきっかけに,二人の気持ちにすれ違いが生じてきます。偽装結婚でスタートしたにもかかわらず,ローザを独占した気持ちを持つクラルは,ローザが番組を降りるように陰で画策します。その事に気づき,男性の支配に強い反発を感じるローザは,会議中クラルの執務室に乗り込んでクラルを難詰します。そのまま出奔したローザ。二人の関係は修復されるのでしょうか。
自立心をもったローザがとても魅力的です。貧しさとは無縁の二人が,自分の抱える心の傷をどう乗り越えて二人の関係を修復していくかが本作の魅力でもあります。


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