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ギリシア名家の遺産 [ジュリア・ジェイムズ]

SHALOCKMEMO781
ギリシア名家の遺産 Securing the Greek's Legacy 2014」
ジュリア・ジェイムズ 片桐ゆか





妹の子供ジョージーを引き取って暮らし始めたリネット(リン)・ブランドンは,会計学を学ぶ大学生。ぎりぎりの生活をする彼女の元を訪れたのは漆黒の髪を持つハンサムな男性アナトール・テロニディス。アナトールはジョージーの父親マルコス・ペトラナコスの従兄弟にあたる大富豪。ジョージーをギリシアにつれていかれるのではないかと恐れるリンに対して,養育権を確立するためにアナトールが提案したのはリンとの結婚だった。ジョージーのためとは言え,アナトールに惹かれるリンは提案を承諾する。ギリシアではプライベートビーチ付きの瀟洒な住まいでリンとジョージー,そしてアナトールによる生活が始まる。しかし,マルコスの父で一族の長ティモンの経営する会社が経営危機に陥り,ティモン自身も癌の治療で動きがとれないため,将来ジョージーが受け継ぐべき会社を守るためアナトールはアテネへ,そしてテッサロニケへと会社を救うべく大車輪の活躍をする。そして,アナトールが留守の間にティモンに呼び出されたリンは,自分が隠していた秘密が知られており,さらにティモンとアナトールが交わした契約書を見せられ,裏切られていたことにショックを受け,ティモンの差し出した小切手を受け取る。ジョージーを連れてギリシアを逃れたリン。しかし,イギリスにたどり着いたリンは,ジョージーを抱えて生活することができなくなってアナトールの弁護士に会いに行く。ジョージーと別れなければならない。そして,愛するアナトールに裏切られ,生きる希望をなくしたリン。アナトールはティモンがリンを追い出すためにした企てをリンに説明しようとしていた。そのためにはリンの秘密が本当なのかを知る必要があった。ぎりぎりまで隠されているリンの秘密とは?アナトールは本当にリンを裏切っていたのか?ジョージーはリンと別れ,ギリシアに連れ戻されてしまうのか?
ギリシアの経済危機が作品にはっきりと示されたのは初めて読みました。どうしてもギリシアの富豪が多く登場するロマンスでは経済危機がなかったかのように違和感を感じていたので,本作でそれが正面切って取り上げられていることに作者の真摯な執筆態度を感じました。それを差し置いても,リンの心情の変化を的確に描いていて,ストーリーにのめり込める本作はおすすめです。


タグ:ロマンス
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