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メディチ家の薔薇は白く [アン・メイザー]

SHALOCKMEMO782
メディチ家の薔薇は白く The Medici Lover 1977」
アン・メイザー 高木晶子





イギリスでホテルに勤めるスザンヌはボーイフレンドのピエトロに誘われて,休暇でイタリア・ルネサンス期のアンティークを展示するお城にやってくる。そこには,ピエトロ・ヴィターレの従兄弟でスキーで大怪我をしたイタリア人伯爵マッツァーロ・ディ・ファルコーネと出会う。ファルコーネ家のアンティークの展示品に興味を惹かれるスザンヌ。そして,滞在するうちにファルコーネ家とヴィターレ家の,さらに言えば,ピエトロとマッツァーノの間の確執,さらにはマッツァーノと妻ソフィア都の間の確執,そして,マッツァーノ夫妻の一人娘エレナの寂しげな様子に気づく。眠れぬままに庭を散歩するスザンヌはマッツァーノと不思議な出会いをし,その魅力と自分が妻帯者であるマッツァーノに惹かれる気持ちに気づき,あわてて部屋に戻る。その後,子供らしい生活が出来ないでいるエレナと親しくなり,マッツァーノと三人で滝に出かけ泳いだことから,急速にスザンヌとマッツァーノの間は接近してしまう。妻のフィオナはピエトロとも親しげな様子,さらには,滞在客のカルロ・ボッテガとも親しげな様子。マッツァーノはスザンヌとピエトロの関係を恋人同士と思い,ピエトロもスザンヌに恋愛感情を持っているようだが,ピエトロの母はフィオナとピエトロの関係を疑っており,それを牽制するような発言をする。
この複雑な関係が本作のストーリーをわかりにくくしている。妻帯者のマッツァーノが妻ソフィアと良い関係でないことはわかるものの,スザンヌとの関係をどうしようとしているのか。さらには,特別に育てた白い薔薇をスザンヌに贈ったのは誰かなど,ちょっと謎めいたところもあり,中盤までの流れはどうも釈然としない面があります。予定の滞在期間が終わりイギリスに戻ったスザンヌはすっかり元気をなくし,上司に心配されるほどでした。さらに,ホテルの滞在客アブドゥルが言い寄ってきたり,イタリアにいたはずのカルロがホテルにやってきてスザンヌを誘ったりと,スザンヌの周囲も慌ただしくなります。そして,テレビの報道で,マッツァーノが乗ったはずの旅客機がアルプスで墜落し,確認すると乗客名簿にマッツァーノの名前もある,という事件が起こります。消沈してしまったスザンヌは上司の配慮で,母の出身地を訪れ,母も泊まったことのあるホテルに数日滞在します。しかし,その間に,スザンヌをさらに陥れる計略が進行していたのでした。
エピローグ風に,驚愕の事実が明かされ,大団円を迎えますが,その劇的な仕掛けのために,こんなに長い物語が必要だったのかと思われるような展開になっています。ちょっとメイザーらしくない無理矢理な展開に,習作的なにおいが感じられる一作でした。


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