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愛を試された公爵 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO808
愛を試された公爵 The Spanish Billionaire's Pregnant Wife
(三人の無垢な花嫁 3) 2009」
リン・グレアム 漆原 麗





ミニシリーズ「三人の無垢な花嫁」の最終巻。本作のヒーローはスペインの公爵レアンドロ・カレーラ・マルケス。銀行家として生活していて,複数の国に家を持つ大富豪です。ヒロインはモリー・チャップマン。オフィーリア,ニコライの妹にあたり,三人がやっと連絡を取り合うのは物語終盤です。レアンドロは妻を失って一年,母親からはそろそろ再婚しては,という話が出てき始めました。姉や妹からも公爵家の跡取りが必要ではないかと言われてしまいます。一方モリーはパーティ出張サービス会社のウエイトレスとしてアルバイトをしながら,焼き物を作り,将来陶芸家として独り立ちしたいと考えています。自分が婚外子として父亡き後祖母から姉は自分が引き取るが,お前にはこの家にいる場所がないと言われて養子に出されてから,独り立ちするためにがんばってきたのです。友人のジェズの家に間借りしなんとか生活を維持してきました。ロンドン郊外の大邸宅での結婚披露パーティでモリーとレアンドロは出逢います。酔っ払いに絡まれたモリーを助けようと前に出たレアンドロは殴られて倒れ,一瞬気を失います。自分を守ろうとしてくれたレアンドロに感謝の気持ちを持ったモリーは,彼を意識し初め,その日のうちに片付けを終えたモリーを待ち受けていたレアンドロを自分の車に乗せて家まで送るという展開の速さ。そしてその日のうちに互いの魅力の虜になってしまいます。そしてモリーの妊娠。レアンドロとモリーは互いに惹かれ合う気持ちを抑えきれず,ついに結婚ということになります。公爵家に嫁ぐという重圧,しかも義母の反対と意地悪,告げ口を言いたくないというモリーのプライドから,夫にはそのことを告げられない苦しさ。妹ジュリエットが付き合いだした管財人フェルナンドが妙に自分に親切にしてくれることを夫に疑われ,ジュリエットの誕生パーティに黙って出かけたモリーが泥酔してフェルナンドに介抱される様子をパパラッチに撮られてしまうという展開で,ついに二人の間に亀裂が表面化してしまいます。少し前に連絡が取れた姉オフィーリアと兄ニコラスからイギリスに帰ってこないかと誘いを受けていたこともあり,ついにニコラスに迎えに来て欲しいと連絡するモリー。ヘリコプターで迎えに来たニコラスに冷ややかな目を向ける義母。そしてもりーとの関係修復を願うレアンドロが帰宅するとすでにモリーはいなくなっていました。フェルナンドとの関係を疑っていたレアンドロは素直にモリーに連絡を取ることもせず二人の破局は決定的になっていきます。
どのようにシリーズの結末をつけていくのかと思いましたが,この後,意外な展開があり,レアンドロ,モリーの二人の気持ちが再燃し・・・。そして,エピローグで数年後のことが語られるというパターンはロマンス小説の常套ですが,それはそれで,ホッとできる展開であります。「愛を試された・・・」このタイトルの意味が終盤でなるほどと思わせるしゃれた作品です。


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