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甘美な愛人契約 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO807
甘美な愛人契約 The Ruthless Magnate's Virgin Mistress
(三人の無垢な花嫁 2) 2008」
リン・グレアム 漆原 麗





シリーズ2作目ですが,前作と関係するのは,前作のヒロイン,オフィーリアと本作のヒーローが異母兄妹になるという点だけで,あまりシリーズ性は感じられません。独立した作品と言ってもいいぐらいです。
本作のヒーロー,ニコライ・ダニーロヴィッチ・アーロフはロシアの大富豪。祖父から受け継いだ財産を自らの才覚で確実に拡張し,独身大富豪として女性からの注目を一身に集めているヒーローらしいヒーローです。しかし,父の不品行で不遇な少年時代,そして貧しい里親の元での苦しみなどを経験し,愛を信じない人間に成長してしまっています。一方ヒロインのアビーは,兄のドリューと家事代行業を営み,そこそこの成功を収めていますが,最近会社の経営状況が悪くなっているという噂が聞こえてきています。兄嫁キャロラインは下半身不随で車椅子の生活を送らざるを得なくなっていますが,明るく何でも自分でやり遂げようとする頑張り屋でもあります。しかもキャロラインはアビーの亡夫の妹でもあるのです。仕事でファッションモデルの代行を頼まれたアビー。その場にニコライと三人の美人秘書,そして二人のボディーガードがどっしりとステージ向こう正面に座っています。熱い視線を向けられるアビーですが,ニコライの女性に対する扱いがたびたび新聞で報道されているのを知っていたため,あえてその視線をそらそうとします。案の定,ショーの後でニコライはアビーにアクションをかけてきます。こんな風にして始まった二人の関係ですが,ニコライを無視したり,ことごとくその誘いをはねつけようとするアビーに,ニコライは逆に惹かれていきます。ニコライから見てアビーは完璧なプロポーションと頭の良さを兼ね備えた素晴らしい女性に思えるのですが,アビーは夫が亡くなった後も結婚指輪をはめたままなのでした。人妻には手を出さないという主義のニコライですが,アビーの夫がすでに亡くなっていることを知り,アビーにイギリスでの拠点を見つける仕事を依頼し,ニコライのペントハウスに住むように条件をつけて破格の給料を払うと申し出るのでした。会社の経営がうまくいかなくなっていることを兄に告げられたアビーは仕方なくその条件を呑むことにします。それよりも,アビーがニコライを避けようとしたのは,アビーもニコライにかなり惹かれてしまったからでした。大富豪のみができる豪華なプレゼントや行事への参加,パパラッチたちからの執拗な取材など,これまで経験したことのない出来事にアビーは戸惑いながらも,誰にも知られていないニコライの過去の秘密を徐々に打ち明けられ,冷徹な実業家というイメージとは異なる,ニコライの素の姿に次第に興味を覚え,愛するようになっていくのでした。そんなとき現れたのがオフィーリアです。ニコライとの契約期間が切れようとしていた時期だっただけに,アビーはニコライが次のお相手を見つけたのかと思い込み,パーティの途中で兄の怪我を知らせるキャロラインからの電話を受けた後,病院に駆けつけ,そのまま自分のアパートに帰ってしまうのでした。もはやニコライとの関係をやめなければと思っていたアビーの家の呼び鈴がなります。
このあとエンディングとエピローグに向かって急展開をしていくのですが,読者の予想を裏切らないハッピーエンドに胸をなで下ろします。次作では行方不明のオフィーリアの妹モリーがいよいよ登場するのでしょうか。


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