裏切り者をわが妃に [オリヴィア・ゲイツ]
SHALOCKMEMO827
「裏切り者をわが妃に Temporarily His Pricess
(愛を拒むプリンス 1) 2013」
オリヴィア・ゲイツ 藤峰みちか
オリヴィア・ゲイツ,いつも気になっていながらもなかなか手にできなかった作家です。なぜなら,シリーズものが多く,一つ読みそびれると次に手を出すのが難しくなってしまうからです。「ジュダールの王冠」「さまよえる王冠」「ゾハイドの宝石」「アズマハルの玉座」と3部作が相次ぎます。そして,いくつかのシリーズで関連作が微妙に出てくるため,どうしてもまとめて読む必要があるからです。KINDLEなどで電子書籍を読むようになって,読書の仕方が決定的に違ってきました。それは,文字の大きさを自由に変えて読めるようになったことと,暗いところでも読むことが出来るようになったことです。そして,時と場に応じてKINDLE,D-TAB,I-POD,スマホを使い分け,同期しながら続けて読むことが出来るようになり,いちいち本を持ち歩かなくても良くなったことです。ただ,すべてが電子化されているわけではなく,さらにすでに書籍でもっているものも多いため,どうしても選ぶものを偏ってしまう傾向は免れません。しかし,これまで大量に書籍を購入しすでに部屋全体が飽和状態にあるので,場所をとらない電子書籍の魅力は計り知れません。もう人生も終盤に差し掛かり,所有することよりも消費することに価値を見いだしていますのでこんな読み方も許されるのではないかと思っています。
さて本作ですが,シリーズの第1作ですが,ヒーローのヴィンチェンツォとヒロインのグローリーの間の,とても結びつかないような関係が「機密漏洩」という点で結びついていることがとても興味深いです。そして機密漏洩がグローリーの家族,父・兄の仕業であり,それを許しがたいと思いながらも家族のしがらみから逃れることが出来ず,さらに最も信頼を寄せていた母も関わってくるかもしれないとあっては・・・。そしてそんな家族を持つグローリーを心から愛し,許していくヴィンチェンツォは,初めはその強引さに反発を覚えるものの,最後の大逆転でまさにヒーローらしい存在に昇華していきます。作者の見事な逆転技に120点をあげたい作品です。
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