SSブログ

シークの不幸な許嫁 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO882
シークの不幸な許嫁 A Question of Honor 2014」
ケイト・ウォーカー 井上絵里





どことは詳細には出てこないが砂漠の国の王女クレメンティーナ・サヴァネフスキは23歳の誕生日とともに許嫁のラスタン国皇太子ナビルの元に嫁ぐことになっていた。それまでの少しの期間,独身最後の自由な身分で,父親の隠し子で自分の弟であるハリーの誕生日を祝うため,母方の祖母の家のあるイギリスの片田舎に滞在している。そこへ,ラスタン国への付添人であるマークハザド国皇太子カリム・アル・カリファが予定より早くやってきてしまう。弟ハリーの誕生日より前にラスタン国へはいけないと,クレメンティーナ(クレミー)はそっと家を抜け出し,ハリーの養父母の家にやってきた。家のベッドの上に「明日戻るから」と書き置きを残して。翌日雪が深くなる前になんとか家にたどり着いたクレミーだが,家に着いたとたん車が故障してしまう。誰もいないと思っていた家に,なんとカリムは自分を待ってくれていたのだった。すぐに荷物をまとめて出発するぞ,と言われ,あきらめ顔になったクレミーだが,故障した車が門をふさいでしまい,雪が激しく降り出したため,車を移動することが出来ず,翌朝出発することにしたところで突然停電になり,二人は暗闇の中で暖炉の火とろうそくの中で一晩を過ごすことになってしまう。クレミーはカリムの男性的な魅力に,カリムもまた思ったよりも女性らしいクレミーに惹かれてしまう。しかし,カリムの仕事はクレミーを無事にラスタン国に送り届けること,クレミーもまた自分の国とラスタン国との関係を維持するためには許嫁の元に嫁がなければならないことは重々わかっていたことだった。しかし,出会った二人の間に火花が散り・・・。何度か近づいては離れるを繰り返す二人の関係に読者はやきもきさせられるものの,キス以上の関係には深まらない二人。カリムは「名誉を守る人」。この言葉が何度も繰り返されます。そして雪がやんだ翌日,二人は無事にラスタン国に到着するのでした。ところが数日後に結婚する予定の相手の皇太子ナビルは自分に顔をみせにも来ず,しかも美しい女性と庭を散歩しているではありませんか。それでも結婚は決められたこと。最後だからとクレミーに挨拶に来たカリムはクレミーの誘惑に負けそうになりますが,最後は思いとどまり振り向きもせずに帰って行ってしまうのでした。しかし,イギリスで二人が同じ家で一晩を過ごしたことがラスタン国の知るところとなり,さらにナビルがクレミーとの結婚を拒否するという事態になってしまいます。傷物扱いにされ,自国に帰ることも出来なくなったクレミーは再びイギリスの弟ハリーの元へやってくるのですが,そこに突然カリムが現れます。結婚が解消された以上,カリムもクレミーも互いに自由の身。二人の気持ちはうまくかみ合うのでしょうか。それとも愛のない結婚を二度としたくないと考え,別れてしまうのでしょうか。最後の最後まで緊張感が続く好著です。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。