浜辺のビーナス [ダイアナ・パーマー]
SHALOCKMEMO903
「浜辺のビーナス Fire and Ice 1982」
ダイアナ・パーマー 小林ルミ子
1984年6月に翻訳されたダイアナ・パーマーの作品の新装版です。「Fire and Ice」,「火と氷」,水と油では混じり合わないのでロマンス小説にはなり得ませんが火と氷ならあり得るかなぁという感じのタイトルですね。頑固でなかなか人の言うことを聞かないキャノン・ヴァン・ダイン。そして氷の乙女のごとく身持ちの堅いロマンス作家のマージー。バツイチで元夫からは自らの作品のような快感を得ることが出来ずに,どうしても体のつながりに二の足を踏んでいたマージーが,キャノンと出会って,ぶつかり合いながらやりとりしているうちに,すっかり愛してしまうという巻き込まれ型の作品で,ダイアナ・パーマーの作品としてはちょっと軽めの楽しめる作品でした。キャノンの弟とマージーの妹が結婚しようとしていて,キャノンが絶対的な権力を持つヴァン・ダイン家で二人の結婚を認めないという仕儀になった時,姉のマージーに助けを求めた妹。そしてロマンス作家であることを隠したままヴァン・ダイン家に乗り込む二人。キャノンとマージーのぶつかり合いの会話が面白く,それだけでも本作を読む醍醐味が味わえます。1982年の作品でありながらも全く古さを感じさせない,さすが大御所だなぁと思わせる新鮮さも魅力です。オススメの一作。
タグ:ディザイア
コメント 0