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ボス運の悪い人 [ジェシカ・スティール]

SHALOCKMEMO957
ボス運の悪い人 A Nine-to-Five Affair 1999」
ジェシカ・スティール 進藤あつ子





楽しい作品でした。ボス運が悪いだけでなく,実父に先立たれ,母の再婚で義父にもよくしてもらい,度重なる不幸にめげずにビジネスの基本を学んだまっすぐな少女エミリー・ローソンですが,母も義父も亡くなり,義父の母親のハンナ・ウィットフォードと二人暮らしながら,秘書としてやってきました。しかしその会社も倒産し,以後就職した会社では上司から性的嫌がらせを受け続け,なんども職場を変えざるを得なくなります。しかもたった一人の家族義祖母のハンナおばさんが痴呆症的症状を示すようになり,なんとか介護施設に入所したものの,ときどき行方不明になり,そのたび会社を飛びだしては祖母捜しをせざるを得なくなり・・・。そんな状況のなか,面接におもむいた会社では社長面接までたどり着き,しかも条件がよく,産休を取ろうとしている秘書代行としての仕事に就くことが出来ます。ところが今度のボス,バーデン・カニンガムは,かなりな美形の上,しょっちゅう女性から電話がかかってきます。すっかりプレイボーイだと勘違いしたエミリー。周囲の人々はエミーと呼んでくれるのに社長はエミリーとしてか呼んでくれません。ある日またまたハンナおばさんが行方不明になり,慌てて会社を飛びだしたエミーが社に戻ると,社長は過度な残業を命じた上,できあがった書類をパーティ会場の友人宅に届けるようにと厳命して自分は帰宅してしまいます。なんとか8時頃までに仕事を終え雪が降りしきる中パーティ会場に向かう途中で車が故障してしまい徒歩で家までたどり着きます。かなりなひどい状況に驚いた社長とパーティの主宰者夫人。実は何度も女性から電話があったのは夫の誕生パーティを秘密に開くために出席の連絡を社長に入れるようにお願いされていたからでした。この時社長のバーデンはエミーの仕事への徹底した使命感に感心し,同時にちょっと意地悪をしてしまったことを後悔するのでした。そして翌日エミーを家まで送っていったバーデンはハンナおばさんが病を患っていることを知り,エミーに対する好意を強く持つのでした。エミーの方は時々意地悪になるバーデンが実は優しい気持ちを示してくれることを感じ,バーデンを愛し始めていたのです。その後,互いの気持ちが近づいたり,勘違いする状況があったりして,近づいたり遠ざかったりを何度か繰り返しますが,バーデンが2週間もアメリカ出張になることに不安をもつエミー。出張の前の晩言い争いをしたエミーは,啖呵を切って会社を辞めてしまいます。そしていくつかアルバイトをしながらなんとか生活していくのですが,バーデンを想う気持ちはますます強まっていくのでした。ちょっとした痴話げんかながらもう取り戻しが出来ないと思っていた週末,突然バーデンが現れ驚くエミー。もう1週間アメリカにいるはずのバーデンが何故?
こんな風にめまぐるしく変化していく二人の関係が結構面白く,短期で潔癖ながらも周囲の人々を大切にしようとする気持ちの優しいエミーがどんどんバーデンに惹かれていく様子に暖かさを感じ,読後ほんわかした気持ちを抱かせる良作です。


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