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砂上の恋 [ジェニファー・ルイス]

SHALOCKMEMO1033
砂上の恋 The Desert Prince
Mon of the Month 81)( Al Mansur Brothers 2 ) 2010」
ジェニファー・ルイス 高橋美友紀





オマーンのアル・マンスール家の3兄弟のシリーズ・ロマンスの第2弾です。邦訳ではシリーズ化されていないため出版年もちょっと離れておりますが,今月第3弾の「砂漠で見つけた至上の愛」が発売されたので,3冊まとめて読むことにしました。第1作の「ボスは誘惑禁止」よりも第2弾の本作の方が先に翻訳されいたので,とりあえず本作を先に読むことにしました。つづけて「ボスは・・・」「砂漠で・・・」を読むつもりです。
原題が“The Desert Prince”と味も素っ気もない題ですので,同じタイトルの作品が沢山あるだろうと思います。Fantastic Fiction で検索をかけると類似の作品名が33冊もヒットしてしまいます。全く同じものもリアン・バンクスやシャロン・ケンドリックにありますので,もう少し何か本作を特徴づけるタイトルを思いつかなかったのかと思います。さて,長男のサリム・アル・マンスールは長男らしく一家のことを最優先にし,自分の結婚も政略,いやお見合い結婚にするつもりでいました。大学時代をアメリカで過ごし,そこで付き合っていたシーリア・デイビッドソンには別れも告げずにオマーンに帰ってきてしまいます。数年後,二人は再会し,一夜を共にしますが,それでも二人の付き合いが続くことはなく,それぞれアメリカとオマーンで暮らしていました。ホテルチェーンのオーナーとなったサリムは,オマーンの砂漠の中の遺跡の町を再興し,ホテルを作る計画をもち,その景観設計士としてシーリアを雇うことにします。インターネットでもシーリアが世界各地で景観設計士として活躍している様子が紹介されており,今回の事業にはぴったりだと判断したからです。シーリアは4年前にサリムと再会して一夜を共にしたとき一人娘キーラを身ごもり,両親の家でキーラとともに暮らしていました。サリムには娘のことは一切知らせていません。今回依頼があったとき,断ろうかとも思いましたが,その理由を尋ねられても答えに窮することが予想されたため,仕事として割り切ることにしました。万一娘のことが分かってしまっても,サリムには父親としてこのことを知るべきだと両親や親友の勧めもあったからです。4年ぶりに会ったサリムはさらに男ぶりが上がり,トキメキを押さえることが出来ないシーリアですが,何度か口に出しかけはしたもののなかなか娘の存在を切り出すきっかけがつかめませんでした。サリムの弟エランはすでに結婚しており(エランの物語は「ボスは誘惑禁止」で・・・)妻のサラがシーリアに会いに来たとき,たまたま娘キーラの写真を手にしたのを目ざとく見つけ,すぐにサリムの娘であることに気付いてしまいます。結婚に一度失敗しているサリムは良家の子女ナビーラとの婚約を考えています。シーリアとの結婚はあり得ないと二人とも分かっていますが,ナビーラはシーリアに対抗意識を燃やしている様子。そしてついにキーラの存在が知られてしまいます。サリムは始め戸惑い,さらにサラのアドヴァイスでキーラの養育について覚え書きを交わすようにサリムに要求し,サリムもそれに従わざるを得ませんでした。キーラを連れてオマーンを再び訪れたシーリア。キーラはすぐにサリムと打ち解け,エランとサラの二人の子どもたちともすぐに仲良くなります。サリムはナビーラとの婚約を破棄しシーリアにプロポーズするのですが・・・。愛のない結婚,子供の養育のためだけの結婚には納得できないとシーリアはプロポーズを断り,急いでアメリカに帰ろうとします。シーリアに去られようとしたとき,サリムは大学時代からすでに二度シーリアを裏切っていて,この機会を逃せば一生シーリアともキーラとも会えなくなるかもしれないという怖れを抱き・・・・。最後はハッピーエンドに終わるのですが,互いに愛し合いながら周囲の状況がそれを妨げ,それだけいっそう愛が深まるという,ロマンス小説の王道を行く作品です。エピローグはとてもしゃれた終わりかたをしていて,思わず笑顔がこぼれてしまう作品です。


タグ:ディザイア
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