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エメラルドの妖精 [オリヴィア・ゲイツ]

SHALOCKMEMO1055
エメラルドの妖精 The Desert Lord's Bride
ジュダールの王冠 2) 2008」
オリヴィア・ゲイツ 小池 桂





シリーズ第2作は次男シェハブのロマンスです。前作で兄ファルークが妻となるカルメンとの結婚のために王位継承権を弟に譲ったため,にわかに王位継承者になってしまったシェハブ。そして王位継承者にはふさわしい妻が,それも有力部族アール・シャラーン家との和解のための政略結婚がついて回るのです。最近になってゾハイド国のアテフ王に隠し子がいることが分かりました。しかもそれが身持ちが悪く何度も夫をとっかえひっかえしている札付き娘という評判の高いファラ・ボーモンという女性でした。ジュダール国の第2有力部族のシャラーン家とゾハイド国のシャラーン家は同じ部族。しかもゾハイド国のシャラーン家はジュダール国のマスード家を指示するという複雑な状況です。この王位継承問題の犠牲になっていくのがファラです。ファラへのプロポーズにOKの言葉を聞くまではどんなことでもしなければならないシェハブ。とかく悪い噂のあるファラに出会って,その妖精のような美しさと魅力にすっかり参ってしまったシェハブは無理やりペルシャ湾内の自分の島に連れて行き,夢のような6週間の生活を二人きりで行います。その間二人の間には離れがたい気持ちとしっかりした信頼感が築かれていきます。そしてファラの雇い主からどうしてもアメリカに帰ってくるように連絡があったときには,シェハブのプロポーズにOKを出していたのでした。ところがボスのビル・ハンソンからシェハブの正体とファラとの交際の裏に隠された政略結婚の事実を聞かされたファラは,シェハブの裏切りにショックを受け,すっかり我を失ってしまいます。正体が知られたことを知らないままファラの居所を突き止めてホテルにやってきたシェハブは,ファラが事実を知り,すっかり生きる気力すらなくしていることに,心に深い傷を負ってしまったことに気付き,動揺するのでした。そこへファラの父親であるゾハイドのアテフ王からシェハブとともに来るように連絡があります。自分をこんなことに巻き込んだ父に一言怒りをぶつけたくてやってきたファラの目の前に,自分に冷たく当たってばかりいた母のアナ・ボーモンも父とともにいたことに二重の衝撃を受けてしまうのでした。ここからがどんでん返しの大混乱が始まるのですが,それは読んでのお楽しみ。そしてシェハブも兄ファルークと同じように王位継承権を放棄し,ファラとの愛を取っていくのです。さて,王冠は無事末っ子に渡るのでしょうか・・・。
エメラルド色のファラの瞳が邦題にも生かされているのですが,ファラという名前とエメラルドの瞳と言えば,あの「チャーリーズ・エンジェル」や「六百万ドルの男」で活躍した美人女優ファラ・フォーセット・メジャースをイメージしてしまいます。ファラ・フォーセットの魅力は瞳の色だけでなく見事な金髪と抜群の運動神経のよさでしたが,妖精のような・・・というイメージではなかったですね。本作のファラは何でも思ったことを口に出してしまう純真さと,とことん人を信じてしまう人柄の良さが大きな魅力だと思います。


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