SSブログ

忘れられた花嫁 [ミシェル・リード]

SHALOCKMEMO1111
忘れられた花嫁 Marchese's Forgotten Bride 2009」
ミシェル・リード すなみ翔





半年ぶりのミシェル・リード作品です。一夜を共にしたために男女の双子を出産したカッサンドラ(キャシー)・ジャニスがヒロインです。双子も5歳になり,やっとのことで生活も安定してきてシングルマザーとしても落ち着いてきたころ,キャシーの務める会社,バーテック社の経営者が新しくなり,今夜はその披露パーティの席上。新しいオーナーこそ双子の父親でかつての恋人だったアレッサンドロ・マルケーゼでした。当時はサンドロ・ロッシと名乗り,結婚を約束した中だったのですが,イタリアに一時帰国したきりキャシーは捨てられたのでした。何度か電話してやっと通じたとき,「きみのことなど知らない。知りたくもない。この番号には二度と電話をかけないでくれ」と冷たい言葉を受けてしまいます。すっかりサンドロへの連絡を絶って5年。なんとこんなとこで再会するとは・・・。
 再会した二人ですが,サンドロの名前が変わっており,さらにかつて冷たくされたのにもかかわらず愛想良く話しかけてくるアレッサンドロ。ひょっとして私を覚えていないの?それとも何あの冗談?実はアレッサンドロは帰国後婚約者と共に交通事故に遭いキャシーについての記憶を全て失っていたのでした。いわゆる記憶喪失ものと再会ものを会わせたような本作です。さて,再会し,キャシーはアレッサンドロの誘惑に抗しきれずにいる自分を見出します。そして双子と出会ったアレッサンドロは自分がお前たちのパパだよとバラしてしまうのでした。あんなに冷たくされたこと,さらに自分の承諾を得ないうちにどんどんと物事を進めようとするアレッサンドロに,幾ばくかのプライドを守ろうと言葉だけの反抗をするキャシー。このあたりの駆け引きは楽しめるところです。結局二人は簡単な式を挙げて結婚するのですが,記憶が少し戻るとアレッサンドロは失神したり倒れたりしてしまうのでした。演技ではなく本当に気を失うところを見てキャシーは次第にアレッサンドロの心の闇を想像して,彼への愛を確信していくのでした。アレッサンドロの記憶が完全に戻り,心の闇が消える時が来るのでしょうか。作者は素敵な結末を用意しています。爽やかな読後感を得られるオススメ作品です。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。