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聖なる騎士 [アン・ヘリス]

SHALOCKMEMO358
聖なる騎士 Her Knight Protector 2005」 
アン・ヘリス Anne Herries 杉浦よしこ



聖なる騎士
HS-281/07.03
/\910/284p



アン・ヘリスの中世騎士物語三部作の最終巻。
キリストの聖杯を巡る攻防という大きなテーマを描く傑作。あとがきにあるように「それから先の話はまた別の機会に」語られるかもしれないと期待させるなど,大団円としてまとまりのある1作に仕上がっている。
後半でヒロイン=カトリーヌが敵役レイヴンズハースト男爵と戦おうとしたヒーロー=アランに争わないように言う場面では,この矛盾にアランはどう対処するのか,このあたりが中世物語の真骨頂。
聖なる騎士というタイトルにふさわしい解決策が示される。
さらに,「悪い人もいれば,悪と戦う人もいる。そしてときには正義のために血が流れなくてはならないときもある」という277頁の一言に,アッコンの虐殺から精神的に開放されるアランの心の変化が読み取れるなど,深いテーマを見事に描き,ロマンス小説を超え,再読に耐えるアン・ヘリス三部作の最終巻。今月の超おすすめ。

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