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一夜だけの身代わり [サンドラ・マートン]

SHALOCKMEMO658
一夜だけの身代わり Not for Sale 2011」
サンドラ・マートン 中村美穂





 ニューヨークの富豪ルーカス・ビエラ(ヴィエイラが正しいのでは?)はロシア人との商談に必要な女性を秘書に探させます。秘書のゴードンは自分の知り合いのダニー・シンクレアを推薦しますが,ダニーは高級コールガールでした。先約がったダニーは大学の知り合いのキャロライン・ハミルトンに自分の身代わりに行ってくれないかと頼みます。気が進まないキャロラインでしたが,フラットの支払いが迫っていたキャロラインは500ドルという金額に惹かれ,引き受けてしまいます。そして,ホテルでの会談に出かけたキャロラインが待っていたのは・・・。
 ルーカスとキャロラインは出会った瞬間にかなり惹かれあうものを感じたようです。その夜,会談終了後誘われるままにルーカスのコンドミニアムで二人は熱い一夜を過ごします。翌朝,ルーカスが気付いた時にはキャロラインはすでにエレベーターを降りたところでした。ダニー・シンクレアだと思い込んでいたルーカスと,自分の連絡先を全く知らせていたかったキャロラインでした。キャロラインの住む環境の悪いフラットを探し当てたルーカスは女性の悲鳴にガラスの割れる音で驚かされます。丁度キャロラインのフラットに泥棒が入り,ガラスを割って逃げだしたところだったのです。こんな偶然はちょっと安易な出来事ですが,ルーカスは無理やりキャロラインに荷物をまとめさせ,自分のコンドミニアムに連れていくことにします。その時のキャロラインの荷物の中には,昨日拾った猫とシダの観葉植物のポットが含まれていて,作者のユーモアを感じさせます。こんなキャロラインの性格からして,ルーカスがキャロラインの本質を見抜くことができなかったことが,後半二人の間の誤解を生む伏線になっています。舞い上がってしまったルーカスは次々とキャロラインとの関係に仕事そっちのけで嵌っていってしまうのですが,それを温かく見守る家政婦のミセス・ケネリーや,コンドミニアムのドアマンとコンシェルジュなど,脇役たちがしっかりと二人を見守っていく様子が本作の暖かな雰囲気を醸し出しているように思います。


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