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億万長者の大誤算(4姉妹の華燭の典 4) [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO735
億万長者の大誤算 Challenging Dante (4姉妹の華燭の典 4) 2013」
リン・グレアム 相原ひろみ





いよいよシリーズ最終巻。末妹のトパーズ(トプシー)はある貴族夫人の個人秘書として務めている。24歳にして数学の博士号を持つトプシー。上の姉たちはそれぞれ独特の美しさと上背の高さという点で共通しているものの,トプシーだけは小柄でどちらかというと頭脳で勝負するタイプ。IQの高さでは天才肌という設定。イタリア・トスカーナ地方の城とよばれる豪邸に暮らす伯爵夫人の一人息子ダンテは銀行家として有数の富豪だが,母が突然結婚し,その相手と母の個人秘書との間に,不適当な関係があるのではとほのめかされ,実家に帰ってくる。傲慢で自分を鼻から疑ってかかるダンテに対して,反発を感じながらも身体的魅力に惹かれてしまうトプシー。継父との関係を疑いながらも,日頃の自分の好みの女性像から全くかけ離れたトプシーに対して不思議と魅力を感じてしまうダンテ。二人の関係は時に近づき,時に離れ,複雑な状況の下で進行していきます。決定的だったのは城で開かれた仮面舞踏会。すでに関係を深めていた二人だが,ダンテの相手をしたのはモデルとして有名だった女性。何も将来の約束をしたわけではないのに,嫉妬にさいなまれ,ダンテに何も告げずに湖水地方に帰ってしまうトプシー。そして,4姉妹の母が逮捕されるという事件が起こり・・・。
トスカーナ地方に個人秘書の職を求めて行ったのは,トプシーの実の父親が夫人の相手ではないかという情報があったからだった。しかし,事実が明らかになってしまえば,自分を雇ってくれた夫人に迷惑がかかるのではないかという迷いがトプシーにはあった。姉たちやその夫達はそんなトプシーの相手としてダンテを不適切だと思い,姉妹達が集まったところを訪ねてきたダンテとの間に一悶着起こる。サフィーのフラットを借りたダンテとトプシーはそこで,これまで言えないでいた互いの秘密を明かし合い,互いの気持ちが真剣であることを確認し合う。エピローグでは,シリーズのふさわしい大団円が描かれる。それにしても生活のために汲々としていたキャットのBアンドBをロシア人富豪が訪れるという偶然から始まったシリーズで4人の姉妹達が,石油王,国王,コンピュータ開発者,大銀行家とそれぞれ富裕な相手を見つけ,さらには子だからにも恵まれ,大家族になっていくこのゴージャスなシリーズは,読者に夢を与えてくれる一大絵巻となっていて,読後の満足感に浸れるすばらしいシリーズとなっている。


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