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放蕩王子と汚れなき秘書 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO744
放蕩王子と汚れなき秘書 A Royal Without Rules ( Royal and Ruthless 3 ) 2013」
ケイトリン・クルーズ 遠藤靖子





かなり独立性の強いシリーズもの。それぞれの作家の特長が生かされていてこれはこれで面白いと思います。すでに「炎のドレスの誘惑ロビン・ドナルド)」は読了しているので,本作は2作目の読了となります。
舞台になるのはアルプス山中にある小さな国キッツィニア。架空の国ですがロマンス小説ではよくあるパターン。国王はまだ存命ですが,皇太子が皇太子妃を迎え,実質的に王権を引き継ぐ準備が着々と整っています。王室の結婚式まであと少し。ここで問題になるのは次男で王子のパトリシオ(パト)の存在。女性問題を初め次々とスキャンダルを起こす王室の厄介者。そこで皇太子は自分の秘書でしっかり者のエイドリアーナを結婚式までの間パトに張り付かせます。居室のベッドで複数の女性と居るところを見ても顔色一つ変えずに軽い警句を述べるエイドリアーナにパトはなげやりな態度をとり続けます。皇太子レイフを尊敬し,皇太子の命であれば何であれ全力を尽くそうとするエイドリアーナに,パトは挑戦的な態度をヒートアップさせます。しかし,二人の間にはこの時互いに惹かれ合う気持ちが強く芽生えるのでした。
ところで,エイドリアーナの実家リゲッティ家は,代々美しい女性が多く,これまでも曾祖母,祖母や伯母が王室の王子たちと浮き名を流し,王室を滅ぼす魔女の一家と言われてきました。エイドリアーナも幼少の頃からリゲッティ家の女性ということで謂われのない非難やいじめに会い続けてきました。そのため皇太子秘書となってからも,自分の気持ちを押し込め,ひたすら職務に邁進するという堅物女性と見られるよう心がけてきたのです。そんなエイドリアーナの気持ちを逆なでするようにパトは挑戦的にエイドリアーナに誘いを掛け,心の壁を崩そうとします。ついにイギリス訪問の王室ジェット機の中で,パトの誘惑に自分の気持ちを抑えられなくなったエイドリアーナ。その後二人の仲は急速に進展していきます。その中でパトはエイドリアーナに王室にまつわる究極の秘密を明かしてしまうのでした。それは,信頼の証であり,エイドリアーナはさらにパトへの思いを深くします。しかし皇太子の結婚式を明日に控えた日,いつものようにおやすみのキスを交わす二人は隠し撮りされた写真と,王室とリゲッティ家の過去のスキャンダルを強調した記事が翌朝のタブロイド紙に大々的に報じられてしまいます。両親から激しく非難されるエイドリアーナ。その時玄関のチャイムが鳴り,またパパラッチが来たのかと思い階下に降りようとしたエイドリアーナが見たのは,これまでの自堕落な姿から一変して軍服礼装に身を包み,護衛官を従えたパトの姿でした。パトを非難する父親を押しのけ,パトはエイドリアーナのところに堂々と進んできます。さて,パトはエイドリアーナを救うことが出来るのでしょうか。
美貌や容姿の美しさだけでなく,辛い過去を背負いながらも堂々と生き,そして深い愛をパトに捧げるエイドリアーナがとても素敵なヒロインとして描かれている秀作です。


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