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熱砂の花嫁 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO875
熱砂の花嫁 The Desert Sheikh's Captive Wife
(非情な恋人 1) 2007」
リン・グレアム 中野かれん





「誘惑のチェスゲーム」の関連で,「非情な恋人」シリーズの第1作の本作を読了しました。富豪の3人,本作のバカール王国皇太子ラシャド,「あの朝の別れから」のギリシア人実業家レオニダス・パリス,そして「誘惑の・・・」のイタリア人実業家セルジョ・トレンテのロマンスを扱っています。第1作の本作では,3人の若かりし頃,セレブたちの集うクラブで檻の中で踊っていた美しい女性ティルダにラシャドが恋をするストーリーです。父の依頼した報告書で身持ちの悪い,しかも金にしか興味のない女性と知ってしまったラシャドは,ティルダに裏切られた気持ちで別れを告げます。しかし,ティルダの側からするとそれは全くの誤解でした。クラブで踊っていたのはラシャドの親友たちの悪ふざけで仕方なく一晩だけやったこと。そして,自分の身持ちの悪さ,つまり複数の男性とのつきあいなどは全くのでっち上げであり,ラシャドの父親の依頼で家臣が皇太子の相手として外国人の女性はふさわしくないという思いを曲解してしまったための偽造書類であったこと。そして金にしか興味がないと思われたのは,ティルダの母親の再婚相手スコットが離婚後もティルダの母親からお金をせびり,ラシャドからの借金を返すことが出来なかったため。そこまで追い詰められていたティルダは意を決してイギリス滞在中のラシャドのもとを訪ね,借金の返済期限の延長を申し出るのでした。「君が僕のものになるなら考えても良い」と冷たく提案するラシャド。初めは断ったものの,母の借金の額が50万ポンドもあり,しかも返済しなければ2週間以内の立ち退きを迫られるという究極の状況の中で,ティルダはついにラシャドの申し出を受ける決意をするのでした。しかし,提案は飲んでも体を差し出すのはバカールに着いてからと,強い決意を示すのでした。豪華な自家用ジェットでバカールに到着し,入国審査を受けようとしたとき,ラシャドはティルダは「自分の女だからビザはいらない」と管理官に告げてしまいます。そしてラシャドの祖父の時代に王族が自分の女といった瞬間に結婚したことになるという法律がまだ生きていたのでした。愛人としてバカールに入国したつもりのティルダでしたが,知らないうちにラシャドの妻に昇格してしまっていたのでした。皇太子の結婚を祝う祝砲で驚いた二人が事情を知ったのは王宮に着いてからでした。愛人としてさげすまれると思っていたティルダは妻に昇格したことでラシャドと対等に話し合うことが出来ると考えます。そして,ティルダの過去を記載した偽造報告書をティルダが目にしたのは,ラシャドとの熱い一夜を過ごした後でした。自分を信じず,こんな偽造報告書を信じたラシャドに立腹したティルダは,すかさずイギリスに帰国します。その後を追ってきたラシャド。そしてラシャドはティルダに謝罪し,愛を告白するのでした。その後ラシャドの力で母の治療と元夫の脅迫から逃れることの出来たティルダは安心してラシャドに身を任せることが出来るようになるのです。それにしても突然皇太子夫人になったティルダが,すぐに国民にも国王にも好かれ,結婚式前からすっかり人気者になってしまうところが,ちょっとご都合主義かなと思いますが,ラシャドの人を見抜く力がそれだけあったというとらえ方も出来るかなと思います。また,ラシャドの友人たち,レオニダスとセルジョが二人の関係にもちょくちょく顔を出し,絡んでくるのが,シリーズの醍醐味かもしれません。


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