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麝香と薔薇 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO923
麝香と薔薇 Zarif's Convenirnt Queen
(大富豪の飽くなき愛 3) 2014」
リン・グレアム 柿沼摩耶





「大富豪の飽くなき愛」シリーズの最終巻です。砂漠の国バシルの国王ザリフ・アルラスタニは従姉妹で幼少から王妃にと決められていたアゼルと幼い息子のフィラスを7年前に車の事故で一瞬にして亡くしてしまいます。その後大学時代の友人ジェイソン・ギルクリストの妹エレオノーラ(エラ)とはジェイソンの自宅で出会い一瞬のうちに恋に落ちてしまいますが,まだ学制だったエラに自分の気持ちを告げることは出来ませんでした。さらに,アゼルとの結婚生活もいわゆる政略結婚だったため恋心を告白することは未経験だったのです。エラは,ブロンドの豊かな髪と青い瞳を持つイギリス女性でしたが,4年後ザリフにプロポーズされたときエラはそれを断ったのです。ザリフの心にはアゼルのみが生きていて,自分を愛してはくれないと思ったからです。プロポーズを断られたことでザリフのプライドはすっかり傷ついてしまいます。今,兄ジェイソンのせいで父の会社が経営破綻を来しそうになり,それを苦に病んだ父は病に倒れてしまい,そして母も精神的に苦痛の中にいるのでした。そしてジェイソンは経営破綻の原因はザリフのプロポーズを断ったエラのせいだというのです。エラの立ち上げた小さな書店の立ち上げ資金もまたジェイソンを通じてザリフから出ていることを初めて知るエラでした。
断られることを承知でエラはイギリス来国中のザリフを訪ね,返済の猶予を持ち出すのですが,そんなエラの申し出をあざ笑ったザリフが持ち出した提案は,ザリフとの結婚と子供を作ることでした。しかもその機嫌は1年間。とうてい飲めない提案だと思ったエラでしたが,傷心の父や病床の母を思い起こし,提案を受け入れることにするのでした。結婚式のためにバシル国を訪れたエラに,アゼルの従姉妹でエラの世話係を務めることになったハニヤは,なにかにつけてアゼルのことを口にし,古くからのしきたりに従うようにエラを説得しようとするのでした。二人の結婚生活はうまくいっているときもありましたが,夫の背後にアゼルの影がつきまとい,エラの心は複雑に揺れ動くのでした。そんな夫に対する愛を告白するエラ。しかし夫からの言葉はあまりにひどいものでした。王妃とその息子の交通事故以来,バシルでは女性の車の運転が禁じられていたのです。しかし,夫と言い争った翌日,エラは夫のスポーツカーを無断で持ち出し公道を走るのでした。そこに女性たちの車が後続し,大きなでも渾身のような有様になってしまいました。自分の妻を再び亡くすかもしれないと恐れたザリフは,自分の心を包み隠さずエラに告げ,これまでのことを誤り,許しを請うのでした。
ザリフの異母兄弟ニックとクリストの妻ベルとベッツィもエラとザリフの恋愛の進展に一役買います。シリーズ最終巻ですがニックとクリストの出番はあまりなく,本作だけちょっと独立した感じになっています。エピローグではさらに5年後の二人の様子が描かれ微笑ましい終結を向かえます。


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